1999 Fiscal Year Annual Research Report
高速磁場掃引による非断熱遷移を利用した量子エネルギー準位の決定
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11874051
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
網代 芳民 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00025438)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 貴行 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00301333)
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| Keywords | ナノスケール / 量子物性 / 量子エネルギー準位 / 分子磁石 / 高速磁場掃引 / パルス磁化測定 / 非断熱遷移 |
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| Research Abstract |
ナノスケール系の量子物性が基礎的にも応用的にも注目されている。系のサイズが十分に小さくなると系のエネルギー準位が離散的になり、巨視的な古典系に対応状態がない新しい物性が期待される。つまり、系のエネルギー準位の構造を直接反映した量子的振る舞いがみられるようになる。したがって系の量子エネルギー準位の確定が重要になる。本研究では高速磁場掃引による高分解磁化過程の観測に基づいてミクロなレベルで量子エネルギー準位を決定し、非断熱遷移に関連した物理現象を追及することを目的とする研究を実施した。具体的には、予定した11年度計画にしたがって十分よく基定された小数個粒子集団であるナノスケール系として非磁性結晶RbMgF 3中に適度に磁性イオンMn2+をドープした反強磁性二量体系ならびに多核分子磁性体Mn12,Fe12を含む多彩な分子磁石結晶体についてパルス磁場を用いた磁化測定を行った。いずれの系においても、量子エネルギー準位の交差に関連する明確な磁化過程の逐次転移が観測された。特にFe12についてはフローレンス大Gatteschi教授グループとの共同研究の成果としてはじめて量子エネルギー準位を決定することが出来た。次年度には、定量的な実験データを確定して理論的解析を行い、とくに非断熱遷移に関連した物理現象を明らかにする。結果は既に学術論文や学会発表として部分的に公表を行った。
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[Publications] J.B.Jamali et al.: "Alloying Effects on Intermolecular Magnetic・・・"Mol.Cryst.and Liq.Cryst.. 333. 121-130 (1999)
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[Publications] Y.Ajiro et al.: "High field ESR in one-dimensional quantum spin systems"Phyica B. (in press). (2000)
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[Publications] Y.Ajiro et al.: "High-Field,High-Frequency ESR in the 1D・・・"Suppl.J.Phys.Soc.Jpn.. (in press). (2000)
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[Publications] Y.Ajiro et al.: "μSR Study of 1:1 Complex of {Mn(hfac)_2}with・・・"Mol.Cryst.and Liq.Cryst.. (in press). (2000)
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[Publications] T.Asano et al.: "High-Field Magnetization Process in Free Radical・・・"Mol.Cryst.and Liq.Cryst.. (in press). (2000)
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[Publications] Y.Inagaki et al.: "High-Field Magnetization and High-Frequency ESR・・・"Mol.Cryst.and Liq.Cryst.. (in press). (2000)
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[Publications] M.Mekata et al.: "Ground state of the geometrically frustrated system・・・"Phys.Rev.. B61. 4088-4092 (2000)
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[Publications] T.Asano et al.: "ESR investigation on the Breather mode・・・"Phys.Rev.Lett.. (in press). (2000)
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[Publications] A.Keren et al.: "Magnetic dilution in the geometrically frustrated・・・"Phys.Rev.Lett.. (in press). (2000)
