2000 Fiscal Year Annual Research Report
直交光路レーザー干渉計による地球自由振動帯域のせん断歪直接測定
Project/Area Number |
11874060
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
|
Keywords | レーザー干渉計 / 歪測定 / 地殻変動 / 地球自由振動 / 伸縮計 / せん断層 |
Research Abstract |
前年度までの基礎実験、基礎工事、及び要素組み立てに基づいて名古屋大学犬山地殻変動観測所に基線長10m伸縮ひずみ用干渉計を設置した。これは最終的には直交型干渉計とすることを目的とするものの、当面は直線型干渉計で既存のひずみ計との性能比較を行うことを念頭においたものである。現在試験観測中であり、例えば2000年3月28日父島近海深発地震などの際に広帯域水平動地震計に匹敵する良質な記録が得られている。しかし、有感地震の際に光学系が微妙にずれて感度が低下するなどの傾向が見られ、システム強度に関しては今後の改善が必要である。試験観測中の記録には、真空度の低下によるゆっくりした見掛けのひずみ変化(ドリフト)が観測された。これは当初の予想通りの現象であり、地震波計測にはほとんど問題にならない。また、定期的に真空ポンプを差動して真空度を維待することにより避けることが出来る問題である。既存の真空ポンプは差動時に大きな振動を発生するため、振動を発生しないイオンポンプを用いてこの問題を解決するための検討を現在行っている。データ収録については、現在のところ定期的に記憶媒体を交換するオフライン観測を行っているが、通信回線を用いたオンライン観測も可能である。観測者の入坑による温度変化が観測の障害になる可能性もあるため、データ収録方式については今後改善していく必要がある。レーザー光源の起動時には、機器に指令を与えてレーザー光の波長を調整する必要がある。この調整部分については自動的に処理できる目処がついている。今後はレーザー光源の制御方式についても改善していく必要がある。
|