1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11874067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋本 利彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20112170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 龍郎 山口大学, 理学部, 講師 (90212183)
平賀 章三 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10031593)
田上 高広 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80202159)
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Keywords | 断層 / 地震 / 摩擦発熱 / 熱ルミネッセンス / ESR / フィッショントラック / 高速摩擦 / 岩石磨耗 |
Research Abstract |
断層沿いの摩擦加熱は断層そのものの性質に大きな影響を与えること,摩擦加熱の影響は大地震の発生過程を考える上で極めて重要であることなどが,研究代表者らの過去10年間の研究で明らかになった.一方,天然の断層では,岩石が熔融するほど著しい摩擦過熱が認められる場合もあるが,大部分の断層ではどの程度摩擦加熱があったかを判断する方法がない.本研究の目的は,熱に敏感な熱ルミネッセンス法・ESR法・FT法を用いて,地震時に断層が高速で動く時に発生したパルス的摩擦発熱量を定量的に推定する方法を開発することである.初年度の成果と課題は以下の通りである. 1.断層破砕帯の形成過程の実験的研究 回転式高速摩擦試験機を調整して,高速摩擦条件下で断層破砕帯が形成する過程を実験的に調べ,破砕帯の形成過程が新しい磨耗則で記述できること,磨耗則が摩擦加熱の度合いによって大きく変わることを明らかにした.この結果は,破砕帯の形成過程と内部の変形状態を知る上で重要である. 2.剪断変形が石英の熱ルミネッセンス(TL)に与える影響の解析 二軸摩擦試験機を用いて断層沿いの低速剪断変形が石英ガウジの熱ルミネッセンスに与える影響について調べた.その結果,顕著な摩擦発熱が起こらない場合でも,TL信号強度は変形とともに一旦増加して減少に転じること,この変化は破砕物の粒径に依存することが判明した.この結果は今まで知られていなかったことであり,今後は,熱過程に加えて,破壊過程の影響をも考慮する必要がある. 3.次年度の課題 TLとESRの測定を高速で変形させた試料を用いておこなうこと,測定結果を天然の断層破砕物の測定結果と対比して,熱パルス検出の方法を開発することが次年度(最終年度)の課題である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tagami,T.: "Thermal anomaly around Nojima fault as detected by the fission-track analysis of Ogura 500 m core samples"Island Arc. 9(印刷中). (2000)
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[Publications] Tagami,T.: "Cordilleran-type orogeny and episodic growth of continents : insights from circum-Pacific continental margins"Island Arc. 8. 206-217 (1999)
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[Publications] Fukuchi,T.: "ESR and ICP analyses of the Ogura 500 m core samples drilled into the Nojima Fault e"Island Arc. 9(印刷中). (2000)
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[Publications] Fukuchi,T.: "Proc.of Hokudan International Symposium and School on Active Faulting"Elucidation of thermal events in the Nojima fault gouge by ESR analysis : the case of the Nojima fault deep drilling core. 5 (2000)
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[Publications] Shimamoto,T.: "Proc.of Hokudan International Symposium and School on Active Faulting"Down to the seismogenic zone : how much do we know?. 11 (2000)