1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11874083
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤阪 健 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60089810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若原 孝次 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40303177)
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Keywords | ビシスリル化 / C60 / C60アニオンラジカル |
Research Abstract |
本年度は、ジシリランとベンゾニトリル系に焦点を絞り、光ビスシリル化反応について詳細に検討した。予備的データとして、C60とテトラメシチルジシリラン1のベンゾニトリル溶液をハロゲンランプを用いて光照射したところ、ベンゼン中では生成するC60とジシリラン1の付加体は全く得られず、1とベンゾニトリルの1体2付加体が得られた。この付加体の構造(2)は、各種スペクトルデータから推定し、最終的にX線結晶構造解析より決定した。反応の自由エネルギー変化をRehn-Wellerの式より求めると負の値となり、この反応が発熱過程であることが分かった。本反応を詳細に検討するために、まず、電子移動型光増感剤として知られるジシアノアントラセン(DCA)やピリリウム塩を用いた反応を試みた 。さらに、非常に量子収率のよい三重項増感剤であるC60やC70や、暗反応での電子移動剤であるマジックブルー((pBrC6H4)3NSbC16)を検討した。電子移動抑制剤であるDABCO(ジアザビシクロオクタン)やテトラメトキシベンゼンの添加効果を調べた。反応機構をより詳細に検討するため、レーザーフラッシュホトリシス実験により反応中間体の検出を試みた。この目的のためには励起三重項の寿命が長く、且つ電子移動後のアニオンラジカルが安定なC60を増感剤として用いた実験を検討し、C60のT-T吸収の減衰と共にアジオンラジカルの吸収の増加を観測する目的で行った。これらの実験により本反応が、不飽和結合の電子移動型ビスシリル化反応であることを確立した。(赤阪・若原担当)さらに、反応中間体であるジシリランカチオンラジカルの反応性についての情報を得るために理論計算を行った。(若原担当)
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Research Products
(1 results)