1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11874091
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 義尚 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10037757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 隆彦 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20264012)
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Keywords | ホスホール / ホスホリン / 逆供与 / 配位リン原子 |
Research Abstract |
1.配位子の合成と性質.リンを共役五員環に含む3,4-ジメチル-1-フェニルホスホール,3,3',4,4'-テトラメチル-1,1'-ジフェニル-2,2'-ビホスホール,六員環に含む4,5-ジメチルホスホリンをMatheyの方法で合成した.ホスホール,ビホスホールはリン上に置換基を持ち,リンの結合電子はsp^3混成である.一方,ホスホリンは,置換基を持たず,リンの結合電子はsp^2混成である. 2.錯体の合成と性質.ホスホール,ビホスホールのパラジウム,白銀錯体を合成した.また,ホスホリンの銅,パラジウム,白銀錯体を合成した.ホスホールおよびビホスホールは平面型錯体を与えるが,ホスホール面は錯体平面から大きく傾いておりいる.ホスホール環は共役5員環ではなく,共役ジエンとリンからなる環とみなすべきである.ホスホリンは共役6員環として芳香族性を示す. 3.錯体における逆供与の検討.ホスホールに関しては,リチウムにより還元的にリン上の置換基を脱離させ芳香族性を持たせる必要があると考えられる.ホスホリンに関しては,第一系列遷移金属に配位させ,ESR,NMRから逆供与の程度を定量化できると考えられる.この際,リンNMRの常磁性項の定量化が問題となるが,ESRのg値の測定から見積もることが可能であると考えている.
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