1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11874096
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 亨和 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (70272713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 淳子 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (60234936)
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Keywords | 層状複合酸化物 / ペロブスカイト型複合酸化物 / 光触媒 / 可視光応答性 / 光照射 / バンドギャップ |
Research Abstract |
これまでに見出されたK_4Nb_6O_<17>やK_2La_2Ti_3O_<10>の様な組成で表される層状複合酸化物は紫外光照射下で水を水素と酸素に分解することが可能である。これら触媒を、可視光領域で応答性を持たせるための改良を重点的に行った。特にK_2La_2Ti_3O_<10>やKSr_2Nb_3O_<10>の様な層状ペロブスカイト型複合酸化物の一群は、カチオンサイトに多様な元素の組み合わせが可能な多機能化が期待できる物質群である。よって層状ペロブスカイト型複合酸化物の可視光化に着手している。特に効果的であったのは、SrサイトをPbやKなどで置き換える事によりバンド位置をシフトさせる方法である。アルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいはTiやNbのようなd電子を持たない金属イオンから構成された化合物は、価電子帯がO2p軌道の電子から構成されるが、これにPb2_s軌道の電子が参入することにより、価電子帯の上端はシフトしバンドギャップが小さくなると思われる。またK^+のような分極能の小さいイオンを層内に組み込むことにより、価電子帯を形成するO2p軌道をより負の電位にシフトすることが可能であると考えられる。これらの結果をもとに更に高活性で可視光領域に吸収を持つ触媒の開発を行うのが一つの大きな指針である。また水素と酸素の同時発生を行うために触媒の修飾方法や反応溶液の最適条件の探索などを行う予定である。
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