1999 Fiscal Year Annual Research Report
濡れ-非濡れ転移からレンズの分散・凝集安定性への新展開―面の化学から線の化学へ―
Project/Area Number |
11874098
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒殿 誠 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20175970)
|
Keywords | 濡れ―非濡れ転移 / 空気 / 水界面 / 油 / 水界面吸着膜 / レンズの二面角 / 分散・凝集安定性 / 吸着膜の相転移 |
Research Abstract |
(1)4成分3相系での濡れ―非濡れ転移を明らかにし、油相レンズの空気/水界面上での分散・凝集安定性を調べる目的で、空気/イコサノールのヘキサン溶液/水系を選び、共存する3種の界面の界面張力を、イコサノールの濃度の関数として精密に測定した。結果の解析から、濃度の増加につれて濡れ状態から非濡れ状態へ、さらに非濡れ状態から濡れ状態への転移が存在することが明らかになった。また非濡れ状態を示す濃度領域で油/水界面吸着膜の膨脹膜から凝縮膜への相転移が存在し、急激な油/水界面張力の低下が非濡れ状態から濡れ状態への転移を引き起こすことを明らかにした。 (2)非濡れ状態での二面角測定を試みたが、極めて小角のためにこれまでの測定手法では測定不可能であった。このため、レンズの上部からの微分干渉顕微鏡観察により得られる干渉縞の濃淡プロファイルの理論解析とラプラス式によりレンズの曲率を求め、二面角を得る手法を開発準備中である。この観察手法はレンズ上部から直接レンズ状態を観察できるため、レンズサイズと分散・凝集安定性の相関を得るためにも利用できると考えている。
|
Research Products
(1 results)