1999 Fiscal Year Annual Research Report
寄生植物を用いた光合成系遺伝子の色素体依存的な発現制御領域の解析
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11874117
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山田 恭司 富山大学, 理学部, 教授 (70200714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若杉 達也 富山大学, 理学部, 助教授 (10212317)
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Keywords | ネナシカズラ / ゲノミックDNAクローン / rbcS / 5'上流制御領域 / シス配列 / 光応答的発現 / 組織特異的発現 / 葉緑体依存的発現 |
Research Abstract |
(1)ネナシカズラの芽生えからゲノミックDNAライブラリーを構築してrbcS遺伝子のゲノミック・クローンを単離し・解析した。スクリーニングの結果、2種類のクローン、GrbcS1とGrbcS2が得られた。GrbcS1は、183アミノ酸のペプチドのコード領域を含んでいた。コード領域は、2つのイントロン(74bpと73bp)で分割されていたが、塩基配列が、rbcSのcDNAの配列とまったく同一であった。一方、GrbcS2の方は、205アミノ酸のペプチドのコード領域を含んでいた。コード領域の予想アミノ酸配列は、rbcS cDNAの場合と87.3%の相同性を示した。コード領域は、イントロンによって分断されていなかったが、Grbc1に比べて22アミノ酸分だけ3'側に伸長しているという特徴をもっていた。 (2)GrbcS1遺伝子とGrbcS2遺伝子の5'側発現制御領域の構造解析を行なった。被子植物のrbcS遺伝子では、これまでに多くの配列が光応答性に関与するシス因子として同定されているが、それらのシス配列はネナシカズラのrbcS遺伝子の場合にも多数見い出だされた。GrbcS1遺伝子の上流約1.5kbの間、およびGrbcS2遺伝子の上流約1.2kbの間には、Gap-box,Box one,I-Box,Box II,TGACG,L-Box,G-Box,LRE,AT-rich regionなどが存在していた。 (3)ノーザン分析の結果、GrbcS1では強いシグナルが認められ、cDNAをプローブとした場合と同様に、光誘導的、組織特異的、かつ葉緑体依存的な発現が示された。しかし、GrbcS2では、どの場合もシグナルが認められなかった。GrbcS2のシグナルはBASシステムによって増幅しても検出できなかったことから、GrbcS2遺伝子は発現していないか、もしくは発現レベルが非常に低い、ということが示唆された。
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[Publications] Asamizu T.,Halide R.,Yamada K.: "Transgenic sesame plants by MAT vector system (I)"Ann. Rep. Toyama Pref. Inst. Pharm. Res.. 33-38 (1999)
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[Publications] Hirose,T.,Wakasugi,T.et al.: "The chloroplast in fA gene with a functional UUG initiation codon"FEBS Lett.. 445. 169-172 (1999)