2000 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ培養細胞を用いた再構築概日系の確立
Project/Area Number |
11874123
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 顕 九州大学, 大学教育研究センター, 助手 (40229539)
|
Keywords | ショウジョウバエ / サーカディアンリズム / 培養細胞 |
Research Abstract |
per,timに対する正の転写因子であるCLKを強力な定常的発現プロモーターであるcytoplasmic actinプロモーターを使って(Act5C-clk)培養細胞内で発現させた。western blotによりPERおよびTIMの発現をモニターすると、TIMの発現は誘導されるが、PERの発現は誘導されなかった。そこで、Act5C-clkとともにper遺伝子のゲノム断片(G-per)をS2 cellにco-transfectした。その結果、TIMのみでなくPERの発現も観察された。次に28時間に渡って、TIMおよびPERの発現量の変動のモニターを試みたが、変動は観察されなかった。これは、正の転写因子であるCLKが恒常的に供給された結果であると解釈された。そこで、一過的な発現を誘導するheat shock protein 70のプロモーター下流にclk遺伝子を連結し(hs-clk)、37℃30分の熱ショックにより一過的にCLKを発現させて、その後のPERおよびTIMの発現をモニターした。hs-clkとG-perのco-transfectionを行うと、熱ショックを与えた場合にのみPERの強い発現が誘導された。熱ショックを与えた後、約5日間に渡って3-4時間ごとのサンプリングを行い、PERおよびTIMの発現量の変動のモニターを試みると、約26時間の周期性を持ったPER/TIM量の変動が観察された。振動は約4回繰り返された。再現性を確認するために、実験を繰り返した。実験毎に、周期、およびPER量のピーク位相にはズレが生ずるが、振動がほぼ一定周期で繰り返されること、数日後にはPER/TIMの発現が観察できないレベルにまで減衰することには再現性があり、培養細胞内での概日リズムの再構築に成功したと判断した。
|
Research Products
(1 results)