1999 Fiscal Year Annual Research Report
電子伝達性蛋白質ーDNAハイブリッド分子の自己組織化による超分子構造の構築
Project/Area Number |
11875003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多山 篤 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70270882)
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Keywords | 電子伝達タンパク質 / 蛋白質-DNAハイブリッド分子 / 自己組織化 / シトクロムb562 / 金属ポルフィリン置換体 |
Research Abstract |
大腸菌由来の電子伝達性蛋白質であるシトクロム b562(Cyt.B562)は、酸化還元中心であるFeプロヘトムを他の金属ポルフィリンへ置換することが可能であり、また、4本のα-へリックスが逆平行に会合した円柱状の構造をしており、酸や熱に対して非常に耐性が強いため生物素子材料として有望である。分子内にシステインを含まない野生型Cyt.B562の63番目のHisをCysに置換した変異体を部位特異的変異法を用いて作製した。次いで、この変異体の-SH基と5'をアミノ化した24塩基長のDNAオリゴマーをクロスリンカー試薬を用いて共有結合的に修飾したCyt.B562-DNA複合体を作製した。表面のプラズモン共鳴センサーのセンサチップ上にCyt.B562-DNA複合体のDNA鎖と相補的な配列を持つ1本鎖DNAを固定し、これにCyt.B562-DNA複合体を添加し、センサーグラムの時間的変化に基づいてCyt.B562-DNA複合体の固定化1本鎖DNAへの結合過程をモニタリングした。その結果、相補的配列を持つDNA鎖の2本鎖形成能により自己組織的にセンサチップ上にCyt.B562-DNA複合体の1分子膜が形成されることを確認した。次いで、Cyt.B562のアポ蛋白質とプロトへムのカルボン酸を1本鎖DNAで化学修飾したプロトヘム-DNA複合体の再構成を試み、ソーレ帯の吸収強度の増加により再構成体の生成を確認した。さらに、プロトヘムをZnポルフィリン、Coポルフィリン、Mnポルフィリン、Mgポルフィリンなどに置換したCyt.B562を作製し、その酸化還元電位をサイクリックボルタンメトリー法により評価した。
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