1999 Fiscal Year Annual Research Report
走査プローブ顕微鏡を用いた有機半導体のナノ領域電気物性の解明
Project/Area Number |
11875006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
夛田 博一 京都大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40216974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 啓文 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40283626)
松重 和美 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091362)
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Keywords | 分子デバイス / フタロシアニン / フラーレン / 単分子膜 / 原子間力顕微鏡 / 電気特性 |
Research Abstract |
ここ数年、分子1個でスイッチングを行う「分子デバイス」の構築をめざして、単一分子への電荷注入およびその輸送機構に興味が持たれており、さまざまな手法で研究が進められている。本研究では、金属および半導体基板上に有機分子の秩序構造膜を作製し、原子間力顕微鏡において、金または白金でコートされたカンチレバーをもう一方の電極として用いて、超薄膜および分子集合体の電気的特性を測定した。基板としては、二硫化モリブデンやグラファイト、金および導電性透明電極(ITO)を用いた。試料としてはp型半導体特性を示すフタロシアニンとn型特性を示すフラーレンを用いた。二硫化モリブデンやグラファイトの清浄基板上では、これらの分子を、秩序構造を持って層状に成長させる成膜技術を確立した。このことにより、単分子層から2分子層、3分子層と分子層単位で膜厚を変化させて電気的特性を測定することが可能になった。 有機薄膜を蒸着する前の清浄な基板表面に、金属コートカンチレバーを接触させて得られる電流-電圧特性は、基板とカンチレバーの仕事関数の違いで説明される特性を示した。有機層を挿入すると、電気伝導度は、膜圧とともに減少するが、単純な比例関係は示さなかった。また、その特性は基板/有機層および有機層/金属コートカンチレバーの接触から予想される特性とは一致せず、超薄膜に対する電荷の注入・輸送機構に関しては今後の検討課題である。計算機シュミレーション等を併用して、解明を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Qiying Chen: "Topography and Local Eiectrical Properties of Vanadyl Phthalocyanine Multilayers Studied by Atomic Force Microscopy"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 337. 505-509 (1999)
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[Publications] Liqiu Men: "Nanometer Scale Current-voltage Characteristics of C60 Films"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 337. 519-523 (1999)