2000 Fiscal Year Annual Research Report
走査プローブ顕微鏡を用いた有機半導体のナノ領域電気物性の解明
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11875006
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
夛田 博一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40216974)
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Keywords | 局所電流電圧特性 / 原子間力顕微鏡 / 分子スケールエレクトロニクス / 自己組織化膜 |
Research Abstract |
分子スケールの電子素子の作製のためには、幾何学的・電子的な構造が原子レベルで制御された有機/無機インタフェースの構築が不可欠である。本研究では、金や二硫化モリブデン、グラファイト等を基板として、フタロシアニンやフラーレンの高秩序構造ナノ組織体を作製し、界面におけるキャリアの入出力の解明を目指した。ナノ領域の電流-電圧特性の測定および表面ポテンシャルの測定には、金属コートしたカンチレバーを有する原子間力顕微鏡を用いた。 有機蒸着膜上での電流-電圧特性では、フタロシアニンの膜厚が厚くなるにしたがって、電気抵抗が大きくなる傾向が見出された。特に、二硫化モリブデン上のフタロシアニン薄膜はエピタキシャル構造を保って層状成長し、膜の層数により電気伝導度が変化した。 さらに、シリコンのダングリングボンドに有機材料を直接結合して、その電気特性を調べることも試みた。水素終端されたシリコン(111)面を、ドデセンや5フッ素化スチレン等の溶液内で加熱することにより、自己組織化膜を作製することに成功し、共有結合によって結ばれた有機/無機界面を実現した。自己組織化膜表面は原子スケールで平坦で、高秩序膜の形成が確認された。シリコンの伝導タイプ(p型、n型、ドーピングレベル)を変化させて、さまざまな組み合わせで膜を作製し、その電流-電圧特性および表面ポテンシャル特性を調べた。現在までのところ、有機自己組織化膜は、絶縁的な振る舞いを示していることが確認されているが、量子力学計算も含めた詳細な検討を今後行う予定である。
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