1999 Fiscal Year Annual Research Report
スピンバルブ探針を用いることによってスピン偏極トンネル電流の検出は可能か
Project/Area Number |
11875011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩田 聡 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60151742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 剛志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50303665)
綱島 滋 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80023323)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / スピン編極電流 / 積層フェリ構造 / 表面磁性 / 磁性超薄膜 / 磁気弾性界面異方性 / 表面磁気異方性 / 交換結合 |
Research Abstract |
本年度は、スピン偏極型のSTMの実験を行う前段階として,分子線エピタキシー(MBE)とSTMを連結した超高真空システムを完成させ、STM装置を用いてその性能を確認するとともに、貴金属上にエピタキシャル成長させた、Co超薄膜の構造について系統的な検討を行った。 (1)STMの高さ方向の分解能は、0.02nm、ノイズレベルは、0.02から0.04nmであった。ノイズとは別にドリフトがあり、走査線間でレベルの変動が見られた。変動の幅は0.5nm程度であり、回路の修正を行うとともに、データ処理においてドリフトを除去する手法について検討した。 (2)面内の分解能についても、ステップ間の段差がやや不鮮明で不十分であったが、走査方向を往復から1方向に変更した結果、バックラッシュによる像のずれがなくなり、0.5nm程度の分解能が得られるようになった。 (3)MgO(111)基板上にAg(30nm),Au(60nm)の順に室温でエピタキシャル成長させたAu表面は,数nmのなだらかな凹凸で覆われている。この上にCoを成長させると,ほぼfcc構造を取り、表面形状があまり変化しないことから、ほぼCoはAu(111)上に層状成長していると考えられる。 (4)MgO(111)基板上にAg(30nm),Pt(60nm)の順に室温でエピタキシャル成長させた場合もほぼ同様であった。このことから、Au(111)およびPt(111)上のCo超薄膜の垂直磁気異方性への磁気弾性界面異方性の寄与は、Co層が一様に歪んでいるとするモデルで解析できることが分かった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Fujiwara: "Structure and MCD Effect of Rare-Earth-Transition Metal Amophous Multilayers"J.Magn.Soc.Jpn.. 23-S1. 39-42 (1999)
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[Publications] K.Yano: "Structural Anisotropy in Sputter-and Vacuum-Deposited Dy/Fe Multilayers"J.Magn.Soc.Jpn.. 23-S1. 91-94 (1999)
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[Publications] T.Kato: "Magneto-Optical Properties of MBE-Grown CoPt Alloy Films with L10 and L11 Ordered Structures"J.Magn.Soc.Jpn.. 23-S1. 47-50 (1999)
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[Publications] 霜山克彦: "MBE法により作製したMnPt/NiFe二層膜の交換異方性"日本応用磁気学会誌. 23-4-2. 1245-1248 (1999)
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[Publications] S.Iwata: "Structure and Perpendicular Magnetic Anisotropy of MBE-Grown Pt-Co Alloy Films"J.Magn.Magn.Mater.. 198-199. 381-383 (1999)
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[Publications] J.Cho: "Large Kerr Rotation in Ordered CrPt_3 Films"J.Appl.Phys.. 86-6. 3149-3151 (1999)
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[Publications] K.Shimoyama: "Exchange Coupling in MBE Grown MnPt/NiFe Bilayers"IEEE Trans.Magn.. 35-5. 3922-3924 (1999)