1999 Fiscal Year Annual Research Report
光通信用高性能Si基板ヘテロ接合アバランシフォトダイオード
Project/Area Number |
11875017
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
神戸 宏 高知工科大学, 工学部, 教授 (10299373)
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Keywords | アバランシフォトダイオード / ヘテロ接合 / ウェハーボンディング |
Research Abstract |
本研究では光通信用高性能受光素子として、シリコンとインジウムガリウム砒素とのヘテロ接合を有するSi/InGaAs-アバランシフォトダイオード(APD)の実現を目指している。これは、InGaAsで光を吸収し励起された電子がヘテロ界面を透過し、なだれ増倍領域であるSiに注入され、ここで高電界により加速された電子が衝突電離を繰り返すことによって動作する。この構造で最も重要なSi/InGaAsヘテロ接合の実現であり、今年度は、高真空中でのSiとInGaAsのウエーハボンディング手法の確立に向けた準備を進めた。 Siと、InPに格子整合したIn_<0.53>Ga_<0.47>Asとのウエーハボンディング手法を確立するため、エレクトロンサイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ源を用いた、水素または窒素プラズマ処理によりSiおよびInGaAs表面の酸化膜を除去し、同時に表面を活性化した後、空気中に取り出すことなく、そのまま高真空中でのウエーハボンディングを行うことを検討した。今年度はその検討に基づき、ウエーハボンディング用の真空マニュピレータを設計し、製作を発注し、これを既設のECRプラズマ源付き高真空装置に導入した。マニュピレータは2つの結晶の方位を合わせ、かつ圧力、温度ともに可変である。また、InPに格子整合したIn_<0.53>Ga_<0.47>As半導体結晶の層構造を設計し、入手した。 これらの準備検討により、平成12年度は、表面処理条件、ボンディング中の圧力、温度など、最適な条件を探り、機械的に十分な強度を有するSiとInGaAsのウエーハボンディング手法の確立を図る予定である。また、そのヘテロ接合の電気的、光学的特性の解明も進める。
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