1999 Fiscal Year Annual Research Report
初期値逆問題の数理構造解明による適切度評価とそれに基づく適切化解析・超現像解析
Project/Area Number |
11875029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50192589)
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Keywords | 初期値逆問題 / 境界値逆問題 / カオス / 適切化 / ナビエ・ストークス / 境界要素法 / 食違い量原理 |
Research Abstract |
本研究の目的は,逆問題には解の存在性,一意性,安定性のいずれかが破れているという,いわゆる不適切性があることに着目し,逆問題の数理構造解明を初期値逆問題に適用し、適切化の指針を明らかにする。さらに、カオスに代表されるように、準問題が不適切な初期値問題に対して、初期値逆問題が適切に構築され、安定化解析および超解像解析ができることの可能性を明らかにする。 平成11年度に得られた主な成果は以下の通りである。 1.カオス現象に関連したローレンツモデルおよびナビエ・ストークス方程式に対して,初期値逆問題を解く数値シミュレーションを行った.ただし,ナビエ・ストークス方程式については空間的に1次元に落としたモデルを用いた.これらのモデルに対して,初期値がどの程度推定できるかを明らかにした.非線形挙動が現れる配意であっても時間を遡って推定することができることが明らかとなった.観測値に観測誤差が含まれる場合について,誤差の程度の影響を調べた.ローレンツ・モデルについては,誤差が含まれる場合には推定可能な範囲が挟められることが明らかとなった.これに対し,ナビエ・ストークス方程式については,支配方程式が非線形であるにもかかわらず,観測誤差に対応した程度の範囲で推定が可能であった. 2.弾性場の境界値逆問題について,観測を領域内のとった場合の適切化の手法と適切化パラメータの選定につき検討をおこなった.観測空間で評価した食違い量原理よりも観測方程式で評価したものの方がよい推定を与えた. 3.ラプラス場の境界値逆問題に対して,交替境界要素法を適用し,境界分割による効率化の方法を提案した.
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[Publications] Shiro KUBO: "Possibility of Well-Posedness Analysis and Super-Resolution Analysis of Inverse Initial Value Problem for Unstable or Choatic Phenomena"Inverse Problems in Engineering: Theory and Practice. (掲載予定).
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[Publications] Shiro KUBO: "New Discrepancy Principle for Selection of the Effective Rank in Singular Value Decomposition for Regularization of an Elastostatic Inverse Bounary Value Problem"Inverse Problems in Engineering: Theory and Practice.
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[Publications] 久保司郎: "不安定な現象に対する初期値逆問題の適切化解析と超解像解析の可能性"日本機械学会第12回計算力学講演会講演論文集. No.99-5. 447-448 (1999)
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[Publications] 古川 晃: "交替境界要素法による境界値逆問題の解析と境界分割による効率化"日本機械学会第12回計算力学講演会講演論文集. No.99-5. 463-464 (1999)
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[Publications] 村上陽亮: "内部測定点を用いた境界値逆問題の解析におけるランク低下法の適用性と有効ランクの推定"日本機械学会関西支部第75期定時総会講演会講演論文集. (発表予定). (2000)