1999 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアを利用した金属の微細加工技術に関する研究
Project/Area Number |
11875035
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宇野 義幸 岡山大学, 工学部, 教授 (20029341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 康寛 岡山大学, 工学部, 助手 (40304331)
岡田 晃 岡山大学, 工学部, 講師 (60263612)
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Keywords | バクテリア / バイオマシニング / 微細加工 / サイドエッチ / 鉄酸化細菌 |
Research Abstract |
バクテリアの生体機能を利用して金属を除去加工するバイオマシニングにおいてはその材料除去機構に不明な点が多く,また実用化にあたっては,加工速度が遅い,サイドエッチが大きいなど解決しなければならない課題もある. 1.そこで,まずその加工メカニズムを解明するために,工作物に純銅と純鉄を用いて基礎的な実験を行い,加工の進行に伴う加工量,バクテリア数および培養液のpHの変化を体系的に捉え,その加工メカニズムについて検討を行った.その結果以下の結論を得た. (1)バイオマシニングにおける工作物材料の除去は,主に間接溶出機構によるものである.すなわち培養液中の酸化作用の強い3価の鉄イオンによって金属が溶出し,その際生じる2価の鉄イオンがバクテリアによって再び3価の鉄イオンに酸化される. (2)純鉄のバイオマシニングにおいては,工作物の溶出により鉄イオンが生じバクテリアの活性につながるため,加工の進行とともに加工能力が高まる. 2.次に加工能率の向上を図るために噴射ノズルを用いて培養液を工作物表面に噴射しながら加工を行い,その効果についても検討した.その結果以下の結論を得た. (1)培養液噴射バイオマシニングによって噴射ノズル直下の工作物の加工量は大幅に増加する. (2)培養液噴射バイオマシニングにおいては,培養液の流量が大きいほど加工量は大きくなる.また加工量は噴射圧力にはほとんど依存しない. 今後,培養液噴射加工を利用し,加工位置の制御やエッチファクタの増大について検討する予定である.また金属以外の材料のバイオマシニングの可能性や微細加工への応用についての検討を計画している.
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