2000 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアを利用した金属の微細加工技術に関する研究
Project/Area Number |
11875035
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宇野 義幸 岡山大学, 工学部, 教授 (20029341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 康寛 岡山大学, 工学部, 助手 (40304331)
岡田 晃 岡山大学, 工学部, 講師 (60263612)
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Keywords | バクテリア / バイオマシニング / 微細加工 / サイドエッチ / 鉄酸化細菌 |
Research Abstract |
昨年度までに実施した培養液噴射加工実験により,バイオマシニングにおける材料除去がおもに材料溶出機構によるものであること,鉄の加工の場合,加工の進行とともに加工能率が高まることを明らかにした. 本年度は,さらなる高能率加工の実現を目指し,特に培養液の振盪数や振盪方向が加工速度に及ぼす影響について検討を行った.また,これまでの基礎実験によって,培養液の温度によっても加工速度が変化することが明らかになっており,この現象を利用した加工位置制御の可能性について考察した.ここでは,工作物表面に白色光,レーザ光を照射し,工作物表面の温度上昇およびバクテリアの活動への影響を調べた. 結果として,以下ような所見が得られている. 1.純銅を加工する場合,振盪回転数が大きいほど,すなわち単位時間当たりの加工表面に関与するバクテリア数が多いほど加工速度が大きくなる傾向があることが明らかとなった.また純鉄の加工の場合はある振盪回転数付近まで加工速度は急激に上昇し,その後はほぼ一定の値になることが確認された. 2.振盪の方向に関しては,加工溝方向に対して平行な培養液の流れを与えた場合に最も能率が高くなることが明らかとなった. 3.純銅の加工の場合培養液の温度30℃付近,純鉄の場合35〜40℃付近で加工速度が最大となる. 4.工作物に白色光,レーザ光を照射しても工作物内の熱伝導および培養液への放熱によって,温度差を生じさせることは困難であり,本方法による加工位置制御は難しいと考えられる. 5.小出力のYAG第2高調波レーザをバクテリアに対し照射したところ,バクテリアの活動が停止する現象が確認された.
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