2000 Fiscal Year Annual Research Report
新鮮な血液を用いた機械加工表面性状の定量評価の試み
Project/Area Number |
11875036
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梅津 光生 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90132927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 宏之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20177702)
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Keywords | 血液適合性 / In vitro試験 / 評価回路 / 血栓 / 血小板 / フィブリン網 / ACT / 人工弁 |
Research Abstract |
第3年度は,人工弁・人工心臓などの開発の早期に血液適合性をある程度評価でき,また,設計改良の指針となるデータを得ることが可能な,より信頼性のあるin vitro血液適合性評価試験回路の開発を目指した. 第一に,回路内での血液と空気の接触面を完全に排除した4つの同一形状の旋回渦流型血液ポンプで構成される一巡閉鎖回路を開発した.4つの血液ポンプのうち1つのみを駆動し,他の1つはコンプライアンス,残りの2つはリザーバの役割を持たせることで,平均大動脈圧100mmHg,平均ポンプ拍出量2.5L/minといった実際の使用環境に近い試験環境にすることができた.また,washout性能の極めて良好な旋回渦流型血液ポンプを回路の構成要素として用いることで,流れの停滞領域のない試験回路を開発することができた.第二に,チューブやコネクタなど試験回路の構成パーツに対する血小板の活性能を同一にするために,血液ポンプと同一材料で回路内面全体をコーティングした.なお,本研究では新開発の高分子製二葉弁を血液適合性評価試験対象とした. 開発した回路内をヘパリン化した新鮮牛血液で満たし,その後プロタミンで中和してACTを300sec〜400secに調節した後に試験を開始した.採取した血液中の血小板の活性能時間を考慮して,試験は4時間で終了した.試験後の弁葉表面をSEMによって観察した結果,(1)弁流出側の弁葉表面では血球成分の付着及びフィブリン網などが全く観察されず血液適合性は良好であったが,流入側の弁葉表面では弁閉鎖時にスポークと接触する部分の吸着タンパク質層に磨耗跡が観察された.また,(2)弁座と弁葉の接着部分に血小板の付着が観察された.以上から,新たに開発したin vitro血液適合性評価試験回路は製品開発の早期に問題点を明確にするのに極めて有効であることが明らかとなった.
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[Publications] Umezu M,Tsutsumi Y, et al.: "The performance of bileaflet rotating valve : In vitro test results"The 8^<th> Annual Meeting of the Asian Society for Cardiovascular. 118 (2000)
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[Publications] Iwasaki K,Umezu M, et al.: "In vitro performance tests of a newly-developed bileaflet polymer valve"Proc.of the 10^<th> Int.Conf.on Biomedical Engineering. 343-344 (2000)