1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875045
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大島 まり 筑波大学, 機能工学系, 助教授 (40242127)
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Keywords | 血流 / 数値流体力学 / 医療画像 / 脳動脈瘤 / 可視化 / 有限要素法 / 脈動流 / 血管形状 |
Research Abstract |
くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の発生および破裂は、年令や性差による血管の伸び・曲がりなどの血管形状による流体力学的な因子(流動パターンあるいはせん断応力)の変化が大きく関与していると考えられる。本研究は脳動脈瘤の発生・破裂のメカニズムの解明を目的とし、CT(Computed Tomography)に基づく実形状の血管を用い、超音波流速計によって測定された脈動境界条件として与えることにより、脳動脈内での血流シミュレーションの手法とシステムの開発を行った。本年度は3つの課題に対して以下の成果が得られた。 課題1 CTデータを用いた内頚動脈内の数値シミュレーション CTからの血管抽出(pre-processing)、解析(analyzer)、結果の可視化(post-processing)の一連のシステムの構築を行った。また、曲がりの形状をパラメトリックに変化させることにより、壁面せん断応力あるいは2次流れの過渡的な変化を定量的に考察・検証した。 課題2 流入および流出境界条件の検証 超音波流速計に基づいて脈動する流入境界条件に対して、流入面に対して放物線分布であるポアズイユ分布と面内の脈動を考慮したウォームズリーの境界条件について検証した。その結果、壁面せん断応力の変化はレイノルズ数に依存しており、軸方向成分の変化にはあまり影響を受けないことがわかった。流出境界条件については、一次元モデルを用いた手法の構築を行っている。 課題3 PIVによる実験検証 実験モデルおよび脈動装置を作成し、可視化実験を行った結果、作動流体や形状による屈折が計測結果に影響を与えないことを検証した。複雑な形状であるため、現在は位置決めなどのキャリブレーションの方法および壁面せん断を求めるための壁近傍での計測方法について検討を行っている。
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[Publications] 大島まり、鳥井亮、小林敏雄: "内頚動脈内の血流解析"第12回バイオエンジニアニリング講演会論文集. 99-37. 179-180 (2000)
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[Publications] 鳥井亮、大島まり、小林敏雄: "CT を利用した脳血管内流れの数値解析"生産研究. 52・1. 55-58 (2000)
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[Publications] 鳥井亮、大島まり: "CT 画像を利用した脳血管内流れシミュレーションの可視化"可視化情報学会全国講演会講演論文集. 19・2. 241-244 (1999)
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[Publications] M.Oshima, and N.Taniguchi: "Numerical Investigation of Conservative Properties for Finite Element LES"FESDSM99 3rd ASME/JSME joint Fluid Engineuing. CD-ROM. (1999)
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[Publications] R.Torii,M.Oshima and T.Kobayashi: "Numerical Visualization of Pulsatile Flow in Cerebral Artery"FESDSM99 3rd ASME/JSME joint Fluid Engineuing. CD-ROM. (1999)
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[Publications] 鳥井亮、大島まり: "屈曲した血管内流れのコンピュータ・グラフィックス"日本学術会議50周年記念シンポジウム講演論文集. 19-21 (1999)