Research Abstract |
本研究では,人間とロボットとの協調を実現する際の「情緒的(感情移入を伴う)インタラクション」の特性,有効性を明らかにし,その設計法を確立することを目的としている.これまでに行動規範型の知能を有する自立ロボットWAMOEBA-2(ワメーバ,早稲田のアメーバ,Waseda Artificial Mind On Emotion BAse)を開発し,学習実験や人間とのコミュニケーション実験を行い提案感情モデルの検討を行ってきた. 本年度は'97国際ロボット展でのアンケートの結果に基づき,物理的インタラクションが可能な,アーム・ハンド機構をWAMOEBA-2に搭載すると同時に,システム全体の拡張を行うことでWAMOEBA-2R(Refine)を構成した.アームシステムは各関節に搭載したトルクセンサと,フィードバック誤差学習(川人,1990)により獲得した動作により,人間と握手,じゃれあう,といったコミュニケーションが可能である.また新たに音声認識機能,個人顔画像認識機能を追加し,人間とのコミュニケーション能力の向上を図った. さらに,WAMOEBA-2Rのような自律ロボットと人間とのコミュニケーション評価の枠組みを得るために,'99国際ロボット展(日刊工業新聞社主催,東京ビックサイト,入場者数約15万人)において,14項目(7段階)からなるアンケート実験を行い,150人から有効回答を得た.その結果,以下の5因子が抽出された. 因子1:知性(知性があるか),因子2:好意的(好意的か,優しいか),因子3:人間らしさ(感情があるか,動きに意図があるか),因子4:接触(反応があるか,触りたいか),因子5 友人(友達にしたいか) また,この特徴が母集団に強く影響されていることも同時に確認された.今後,WAMOEBA-2Rのさらなる知能化に加え,この人間-自律ロボット間の情緒的コミュニケーションの議論を深めていく.
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