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1999 Fiscal Year Annual Research Report

室温強磁性有機物の構造と物性

Research Project

Project/Area Number 11875069
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

平塚 信之  埼玉大学, 工学部, 教授 (20114217)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 柿崎 浩一  埼玉大学, 工学部, 助手 (70261881)
廣瀬 卓司  埼玉大学, 工学部, 助教授 (80292647)
小林 秀彦  埼玉大学, 工学部, 教授 (60125888)
Keywords有機強磁性体 / ラジカル分子 / π結合 / 電子スピン共鳴(ESR) / トリエチルアミン / キュリー温度 / 軟磁性 / 半硬磁性
Research Abstract

平成11年度の具体的目標として下記の研究を行った。
1. 室温強磁性有機物を更に探索する。脂肪族アミン、ニトリル化合物などの物質を重合反応させて磁性を調べる。
2. 強磁性発現機構を解明する。高分子中にπ共役が多く存在し、ラジカルが揃うと強磁性が発現すると言われている。しかし、個々の有機結合状態によってその発現機構は異なると予想される。この機構を解明する。
その結果、次のような成果が得られた。
1) 室温強磁性有機物の生成条件の確立
作製プロセスにおいてトリエチルアミン量、加熱温度、保持時間などが磁性に及ぼす要因について検討した。850℃以下の加熱温度ではトリエチルアミンは熱分解せず強磁性体は得られなかった。850〜950℃の加熱温度により黒化した重合物が生成し、強磁性体が得られた。さらに高温の1000℃まで加熱したが強磁性体は生成しなかった。さらには保持時間による生成条件を検討した結果、30分間保持した場合が良好であった。
2) 作製された室温強磁性有機物の磁気特性
上記の生成条件により得られた強磁性有機物の磁化値は2.8emu/gであった。これは合成した非磁性物を含む全試料に対する磁化値である。磁石を用いて分離したところ20〜30emu/gと比較的大きい値である。保持力は525エルステッド(Oe)であり、半硬質磁性体であると考えられる。この試料は77Kにおいて3.2emu/g、保持力が700Oeと大きな値となった。さらに、この試料の磁化値および保磁力の-196℃〜100℃までの温度依存性を測定したところ、-80℃付近にキュリー点(強磁性が消失する温度)をもつ強磁性体および100℃においてもまだ強磁性が消失しない2相が存在することが確認された。この結果は室温強磁性体として重要であり、これらの強磁性発現の起因である。ラジカルの状態を電子スピン共鳴装置を用いて解明を行っている。

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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