2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875082
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 三男 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (80037910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VASA Nilesh J. 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (40294904)
興 雄司 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (10243908)
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Keywords | 導波型レーザー / 超短光パルス / 色素レーザー / 分布帰還 / 可飽和色素 / 光集積回路 |
Research Abstract |
種々の光コンポーネントを平面光導波路に沿って集積化する「光IC」は光エレクトロニクスの分野では研究が活発である。本研究はその概念を利得バンド幅が広い可変波長レーザーに適用して、単一チップの光IC型超短パルス発生器を作れるかどうかについて考察することにある。 レーザーによる超短パルス光の発生は従来、モード同期法によって行われてきたが、これらは複雑な構造を持っている。本研究では小型のDFB可変波長レーザーの緩和発振により発生したピコ秒のスパイクを可飽和吸収と可飽和増幅とを交互に繰返す集積型パルス圧縮器を通すことにより、フェムト秒パルス光を発生させるものである。このような新しいデバイスを有機色素をドープしたプラスチック導波路で実現することを目指し、理論的・実験的研究を行った結果、次のような成果が得られた。 1.PMMAの導波路に沿って回折格子を焼き込んだ分布帰還(DFB)ローダミン6G色素レーザーを試作し、パルス幅6nsのNd:YAGレーザーの励起で発振させた際数10ピコ秒の幅を持つスパイク発振を観察できた。 2.その際、導波路を幅10μm程度のストライプ状にすることで、1μJ以下の極めて低い励起エネルギーでDFB発振できることを見出した。これはLD励起の可能性を示唆するものである。 3.ローダミン色素による増幅をDODCI色素による吸収を交互に行う集積型パルス圧縮器によるパルス圧縮効果の計算機シミュレーションを行い、ピコ秒パルスをフェムト秒オーダーまで圧縮できることを数値計算により示した。 4.ローダミンとDODCIを混合した導波路に、マスクを使って吸収を増幅の領域を交互に作り、そこをピコ秒パルスを通過させたとき、パルス圧縮が起こることを実験的に示した。
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[Publications] 前田三男 他4名: "導波型固体色素レーザーへの分布帰還構造の作製"九州大学大学院システム情報科学研究科報告. 5・1. 135-140 (2000)
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[Publications] 前田三男 他4名: "導波型分布帰還固体色素レーザーのRGB領域発振"九州大学大学院システム情報科学研究科報告. 5・1. 141-146 (2000)
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[Publications] Mitsuo Maeda 他3名: "Multi-Stripe Tunable Waveguide DFB Laser for New Type of Laser Spectroscopy"Technical Digest Conf.CLEO/Europe-IQEC 2000. 9. 58-58 (2000)