1999 Fiscal Year Annual Research Report
有機色素をドープしたプラスチックファイバーを用いた超高速光回路
Project/Area Number |
11875083
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木下 岳司 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40195334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 實 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90101998)
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Keywords | プラスチック光ファイバー / 非線形光学 / 光ロジックゲート |
Research Abstract |
実験試料のアゾ色素をドープしたシングルモードプラスチック光ファイバーを作成するためのモノマーに加える添加剤濃度とプリフォームの延伸条件を実験により検討した。大口径プラスチック光ファイバーとは異なる作成プロセスが必要であった。モノマーのメタクリル酸メチルに屈折率制御のためにメタクリル酸ベンジル、延伸温度を下げるための可塑剤としてフタル酸ベンジル、重合開始剤として過酸化ベンゾイル、コアには非線形光学色素DR1を添加した。重合や加熱延伸時に発泡しないように添加剤濃度を調節した。またアゾ色素とメタクリル酸ベンジルの添加率とポリマーの屈折率の関係を測定し、コアとクラッドの屈折率差を制御した。 重合した中空クラッドにコアを挿入し、加熱延伸してファイバーを作成する際の加熱温度、張力、延伸速度を検討した。破断、溶断、発泡が起こらないような条件設定が可能になった。延伸プロセスを繰り返すことにより、コア径31.5μmのファイバーが得られた。コアとクラッドの屈折率差を0.001まで小さく制御できるので、波長830nmでシングルモードにするためにはコア径を11.5μmまで細くする必要があるが、延伸プロセスを1回追加することにより実現できることがわかった。 作成したファイバーにサブピコ秒パルスレーザー光を入射してスペクトルやオートコリレーション法によるパルス幅測定を行ったが、入射端面の研磨が不十分なため結合損失が大きく、自己位相変調等は観測されていない。実験技術の向上を進め、平成12年度には非線形光学現象の観測と超高速光ロジックゲート動作の確認を達成する予定である。
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