2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875109
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小柳 武和 茨城大学, 工学部, 教授 (50108205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 祐史 茨城大学, 工学部, 講師 (80272110)
志摩 邦雄 茨城大学, 工学部, 助手 (10241746)
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Keywords | 色弱者 / 色誤認 / 輝度値 / 交通信号 / 色彩環境整備 / アンケート調査 |
Research Abstract |
本年度では、色弱者に対して公共空間(交通信号)における色誤認(バリア)の程度を明確にすると共に、色弱の種類・程度別認識特性の相違点を把握するためにWeb上でのアンケート調査を実施した。被験者は、色覚の種類・程度が明らかである第1および第2色弱者各21人の計46人である。その結果、今後の色彩環境整備を行う上で配慮すべき情報提示の在り方や設置される周辺環境との関係に着目し、特に早急な改善が求められている交通信号について、留意点の要点を示す。 1、色彩環境整備全般:健常者と色弱者の輝度比の閾値として4.0が得られたが、色弱の類型によって認識特性に大きな差異があり、バリアの傾向が、どの色弱の誤認傾向に当てはまるのかにより、その色弱にあった輝度比を用いることが望ましい。 2、交通信号:信号パターン別に検討を行った代表的な留意点を整理した。 (1)赤号と背景看板、街路樹については、色弱者は輝度の違いを手がかりとして情報の認識をする特性があり、輝度比4.0を用いることが望ましいが、色弱の程度によっては逆効果となりうる。そこで、輝度比2.0を用い、これに加え信号の大きさや信号自体の輝度比を上げることが重要である。 (2)単灯式の赤・黄点滅信号は、改善・対策と言うより、むしろ色弱者に危険を招くものであり、赤・黄信号の形状形態に変化を持たせるか、文字や記号を付すことなしで用いるべきではないと考える。 (3)夜間における信号誤認に関して、色弱者はランプが点灯している位置で信号判断をする特性を持っており、信号灯の輪郭が認識できるような弱照明を用いる。また、街灯との誤認においては、街灯の形状形態の変化、もしくは街灯の輝度値を下げるのが望ましい。
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Research Products
(1 results)