1999 Fiscal Year Annual Research Report
Xenopus laevisの胚を用いた内分泌撹乱化学物質の測定方法に関する研究
Project/Area Number |
11875113
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
貫上 佳則 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (90177759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池西 厚之 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10076036)
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Keywords | 内分泌撹乱化学物質 / Xenopus laevis / ビスフェノールA / 性転換 |
Research Abstract |
本研究では,エストロジェンの存在下で性転換が起こることが知られているXenopus laevisを用いてエストロジェン様物質の測定を試み,この検出感度や試験条件について検討するものである.今年度は、エストロジェン様物質の代表としてビスフェノールAを用い,Xenopus laevisの胚を用いた本試験法の検出感度と,Xenopus laevisの飼育条件について検討した。 まず、容量的1.5Lの大型シャーレにHoltfreter氏液を用い、週2回の交換頻度で24℃で飼育を行った。飼育密度を6〜24匹/Lとして飼育を試みたところ、飼育密度が高い場合は成長の個体差が大きくなり、成長が早くてより大きな個体が成長の遅い個体を攻撃し、途中で死亡する個体が多くなることがわかり、雌雄の判別が可能となるStage52まで飼育することができないことがわかった。そこで、14匹/Lで飼育したところ、Stage52まで80%以上の生存率を保つことができた。また各々の個体を解剖し顕微鏡で生殖巣を観察したところ、雌雄の割合はちょうど1:1であった。ただ、文献で示されている成長日数と比較すると、Stage52に到達するまで3倍以上(約3カ月)長期間を要することがわかった。その後、ビスフェノールAを0〜11.1mg/Lの範囲で5段階の濃度に設定してXenopus laevisに曝露したところ、濃度の最も高かったケース(11.1mg/L)では曝露翌日に全個体が死滅したが、これ以外のケースでは死亡個体数も少なく順調に飼育が可能となった。Xenopus laevisは夏期には産卵しないことと、当初予想していた以上に飼育に長期間必要だったことから、ビスフェノールAの曝露による雌雄個体数の変化を年度内に確認できなかったが、飼育中の個体を用いて来年度には確認する予定である。
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