1999 Fiscal Year Annual Research Report
GAによるコンクリート建築物のライフサイクルマネージメント最適化手法に関する研究
Project/Area Number |
11875115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 貴文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80208321)
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Keywords | 建築 / コンクリート / ライフサイクルマネージメント / 遺伝的アルゴリズム / GA / 最適化 / 耐久性 / 拡散論 |
Research Abstract |
本年度は、文献調査による劣化モデルの作成と、遺伝的アルゴリズムによる建築物のライフサイクルマネージメント最適化プログラムのフレームワーク作成およびそのプロトタイプの作成を行った。以下に、その結果を示す。 1.劣化モデルの検討 文献調査を中心として検討を行った結果、コンクリート構造物の主な劣化現象である中性化および塩害は拡散論に立脚した劣化プロセスとして捉えられるが、中性化においては拡散と同時に反応を伴うこと、各仕上げのコンクリートの保護効果の経時変化を考慮する必要があること、GA に組み込んだときの計算量を押さえる必要が有ること等を考慮し、差分法による劣化モデルを採用した。さらに、コンクリートの見かけの拡散係数、仕上げ材の透気係数など各パラメータを既往の文献により検討し、劣化モデルのプロトタイプを作成した。 2.透気性試験装置による表面仕上げの効果の同定 文献調査から得られた劣化モデルの正確なパラメータを抽出する必要があるため、主な劣化現象である中性化を対象に、表面仕上げや補修・改修が施されたコンクリート部材の外的因子の透気性を同定するための試験装置の開発を行いその試作器を得た。現在その試作器により、セラミックを用いた数水準の予備試験を行いデータ収集を行っている。 3.遺伝的アルゴリズムプログラミングによる維持管理計画最適化手法の検討・開発 遺伝的アルゴリズムによる最適化シミュレーションの開発と検討を行った。特に、建築物のライフサイクルマネージメント最適化問題を多目的(多評価関数)最適化問題として捉え、遺伝的アルゴリズムによる多目的最適化プログラムのフレームワークの作成をプログラミングを行った。 得られたプログラムに上記劣化モデルを適用し、プロトタイプを作成した。その結果、遺伝的アルゴリズムが、維持管理計画最適化問題に有効であることが確認された。
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