2000 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋とコンクリート間の付着特性における寸法効果と破壊力学
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11875117
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市之瀬 敏勝 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10151474)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 付着特性 / 破壊力学 / 重ね継手 / 異形鉄筋 / 付着破壊 / 付着すべり特性 / ひび割れ |
Research Abstract |
付着特性は,鉄筋コンクリート構造物において最も基本的な特性のひとつである。にもかかわらず付着に関する破壊力学的アプローチが進んでいない理由は主に二つあると思われる。第一の理由は,付着破壊が曲げ・せん断と違って三次元的破壊現象であるため,通常の二次元解析が適用できないことである。第二の理由は,付着破壊という現象が,異形鉄筋の節の前面におけるミクロ的な破壊と,鉄筋の表面からまわりのコンクリートへ広がるマクロ的なひび割れとがからみあう複雑な現象ということである。 本年は,主に実験的研究を行った。パラメータは,下記の3種類とした。 1.鉄筋径:20mm,40mm,60mm 2.かぶり厚さと鉄筋径の比:1倍,2倍,3倍 3.鉄筋のリブの角度:45度と60度 したがって,3×3×2=18種類の試験体になった。 この実験は,ばらつきがかなり大きいことが予想されたので,1種類につき,3体ずつの試験体を作成した。つまり,合計18×3=54体の試験体数となった。これを6本の棒を介して引き抜いた。 上記の実験により,次の結論が得られた。 1.横補強筋によりコンクリートに強い拘束力が働いた状況下において,寸法が付着強度に及ぼす影響は小さい。 2.主筋節形状の違いが付着強度に及ぼす影響は小さい。しかし,ピーク時の主筋のすべり量に及ぼす影響は大きく,主筋の節高さ/節間隔が小さい試験体は大きいものに比べ,5倍程度主筋がすべる結果となった。 3.横補強筋ひずみ分布は,主筋節形状の影響が大きく,節高さ/節間隔が大きい試験体は小さいものに比べ放射状作用が強い。また,引張端では自由端に比べて,主筋の放射状作用が強い。
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Research Products
(1 results)