1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875121
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉野 博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30092373)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 仁 宮城工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (80280329)
久慈 るみ子 尚絅女学院短期大学, 生活科学科, 助教授 (40153291)
佐藤 洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10260423)
|
Keywords | 換気 / 衣服 / トレーサーガス法 / サーマルマネキン / 表面温度 |
Research Abstract |
本研究では衣服内の空気は動くものとして捉え、建物内部の換気量測定法であるトレーサーガス法を、衣服内換気量の測定に適用できるかどうかについて検討を行った (1)簡易温熱マネキンの製作:簡易温熱マネキンは、表面温度のコントロールのために、サーミスタ温度計をマネキン表面(胸部・背部・上腕部・前腕部・大腿部・下腿部)に貼付し、体幹部以外は左右別々に、発熱を制御できるようにスライダックを通して調整を行った。 (2)ガス発生方法の検討結果:測定はトレーサーガスとしてCO_2を用い、定量発生法で行った。実験室内の温熱環境条件は、室温20.1℃〜24.5℃である。実験被服は、塩ビフィルム製の袖なしワンピース型とした。ガス発生方法の検討の結果、チャンバー(150*90*90cm)を用い間接的にガスを発生させる方法を考案した。チャンバーでの測定結果では、衣服内ガス濃度と外気のガス濃度との差は550〜670ppmの範囲にあるが、各実験において、同一条件下では衣服内のガス濃度は一様に分布し、各実験ごとの測定点間のガス濃度の標準偏差は±6.37ppmと小であった。この方法によると、チャンバー内でガスを完全拡散させることが可能となり、チャンバー内と衣服内のガス濃度はほぼ一定となることがわかった。また、室温が高くなると換気が促進されて、衣服内ガス濃度は低くなり、両者は反比例する。また、実験の再現性は高く、衣服の着せ替えによる影響はなかった。マネキン平均表面温度とチャンバー内温度の差と衣服内平均ガス濃度についてみると、温度差が大になると、やや衣服内濃度が高くなる傾向にあることがわかった。塩ビ衣服の換気量を求めたところ、発生量は平均0.065L/min.であることから、6〜7m^3/h.であると算出される。以上の結果より、チャンバーを用いて間接的にガスを発生する方法は有効であると考えられる。
|
Research Products
(1 results)