1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875147
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 忠雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 浩一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00302175)
五十嵐 友一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80005347)
連川 貞弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40227484)
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Keywords | 強磁性材料 / 焼結 / 磁場 / 粒界微細組織 / 磁歪 / 純鉄 / コバルト |
Research Abstract |
優れた高温強度特性・電子特性を持ちながら、顕著な脆性破壊のために加工成形が困難な機械構造材料は多く存在する。これらの材料の微細組織を構成する結晶粒方位、粒界の性格・構造および幾何学配置を望むように制御できるならば粒界脆性や機械的性質等の改善ばかりでなく、性能の向上、新しい機能の発現も可能と思われる。そこで本研究では、新しい粒界微細組織の制御方法として磁場作用に着目し、外部磁場を作用させた焼鈍・焼結による多結晶材料の粒界微細組織の制御をめざして行われたものである。本年度得られた結果の概要は以下の通りである。 (1)純鉄圧粉体の磁場中焼結: 焼結過程に及ぼす磁場作用の影響に関する基礎的知見を得るために、カーボニル鉄圧粉体を用いて823K〜973K(強磁性温度域)および1123K(常磁性温度域)の温度域、0〜1.5Tの磁場強度範囲において磁場中焼結を行った。その結果、強磁性温度域における磁場中焼結によって緻密化が促進されるとともに、粒成長も促進され均質な粒組織が得られることが見出された。また、これらの促進効果は磁場強度が高くなるにつれてさらに大きくなった。このような焼結現象に対する磁場作用の効果は、緻密化に対して粒界移動が重要な役割を担う焼結の中期において特に顕著であった。一方、常磁性温度域においては、強磁性温度域において見られた焼結の促進効果は得られなかった。 (2)純コバルトの磁場中焼結: 強磁性圧粉体の磁場中焼結機構を明らかにするために、磁歪が大きな純コバルトを用いて強磁性温度域1223K、磁場強度1.5Tにおいて磁場中焼結を行った。その結果、純鉄の場合と異なり、磁場中焼結によって逆に緻密化が抑制されることが見出された。この原因については現在検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Kawahara: "Observations of Interaction between Magnetic Domain Wall and Grain Boundaries in Fe-3wt%Si Alloy by Kerr Microscopy"MIRS Conference Proceedings (in Press). 586. (2000)
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[Publications] T.Matsuzaki: "Effect of Magnetic Field on Sintering of Iron Powder Compact"Materials Science Forum. 304-306. 585-590 (1999)
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[Publications] T.Matsuzaki: "Grain Boundary Migration and Grain Growth during Sintering and Annealing in Magnetic Field in Iron and Its Alloy"Proc. of 4th Inter. Conference on Recrystallization and Related Phenomena. 529-534 (1999)
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[Publications] T.Watanabe: "The Control of Brittleness and Development of Desirable Mechanical Properties in Polycrystalline Systems by Grain Boundary Engineering"Acta Materialia. 47,15. 4171-4185 (1999)
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[Publications] 連川 貞弘: "セラミック材料の物理 結晶と界面"日刊工業新聞社. 49 (1999)