1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875158
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
丸谷 洋二 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90239153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 卓之 大阪産業大学, 工学部, 講師 (60257889)
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Keywords | 光造形法 / 積層造形法 / ラピッドプロトタイピング / フォトポリマー / 光硬化性樹脂 / 液中硬化 / バブル / 気泡 |
Research Abstract |
光硬化性樹脂は,露光された表面付近でしか硬化しないので,立体物を作製するには平板を積層する方法によるのが一般的である.しかしながら積層に際しては,硬化層の上を一旦未硬化樹脂液で覆う(リコートする)必要があり,このリコートに時間がかかることが問題とされている.本研究は,光造形からのリコート工程の排除を目的とするもので,ここではバブル(気泡)を介して露光する手法を採用した.今年度は,液中に挿入した細管(パイプ)の内圧を高めて細管の先端部にバブルを発生させる方式の光造形装置を試作し,基本性能の検討を中心に研究を進めた.以下その詳細について述べる. 1.紫外線光源としてHe-Cdレーザ(IM3031R-R:金門電気(株))を,レーザビームの走査と造形物の移動機構にはデスクトップ型組立ロボット(CAST PRO:Sony(株))の3軸移動機構を用いた.バブル発生のための加圧装置を,細管,凸レンズ,注射器,ビニルチューブ等で作製し,X-Yステージ部に取り付けた. 2.液中で露光点(バブル先端部)を移動させることにより,硬化部分は直ちに液中に埋没するのでリコート無しで立体物が作製できることがわかった. 3.空気のバブルを介して露光した場合の樹脂の硬化特性を測定した結果,従来法に比べて遜色の無い硬化速度,精度が得られることがわかった. 4.高粘度の樹脂を用いた場合,ビーム走査速度(バブルの水平移動速度)を速めると,バブル形状を安定に保つのが難しく,バブルが崩壊しやすくなることがわかった. 5.バブル材料にアルゴンガスを用いた場合,酸素阻害が起こらないことにより樹脂の硬化速度が従来法の2倍程度に向上することがわかった. 6.立体物の造形時間を測定した結果,リコート時間が要らない分たけ時間が短縮され,低ワットレーザーを用いた小形光造形装置として充分実用に供することがわかった.
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