1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875165
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 智彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10171571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 繁雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90023283)
|
Keywords | パラジウム / 膜反応器 / 複合膜 / 銀一パラジウム合金 / 物質移動 / 水素透過速度 / 脱水素反応 / MCFC反応器 |
Research Abstract |
脱水素反応は可逆反応であり、その反応成績は熱力学的平衡によって制限される。いま、反応系内から水素のみを分子選択的に除去し得れば、平衡上の制約条件が解除され、反応の効率化が促進される。こうした目的で、水素のみを選択的に透過するパラジウム及びその合金に注目し、反応器内にパラジウム膜を設置する、パラジウム膜反応器が注目されている。しかし、膜の透過性能の向上に比べ、反応器としての実用化は進んでいないのが現状である。本研究は、脱水素反応における平衡制約条件を解除し、高効率反応系を実現するためのパラジウム膜反応器の設計にかかわる化学工学的基礎指針を提案することを目的とする。従来、膜の無機化学的性質を向上させることを中心とした検討が主であったが、本研究では、反応工学的観点から、あらたにトータルな反応装置としての総合的評価を加えた設計指針を提案する。このため反応器の最適操作条件を決定するための物質移動解析を中心に検討を行った。またこの考え方を応用して、新しい型の膜反応器設計に展開するための検討を併せて行い、特定原料供給型反応器の可能性を提案する。 1 セラミック膜に銀一パラジウム合金を無電解メッキした複合膜反応器について、実用条件を考慮した反応システムを試作した。反応速度と水素透過速度のバランスをとりやすいよう、パラジウム管を内管とし、任意の大きさの外管を採用し内管と外管の隙間部分に触媒を充填する外部充填式とした。 2 当該パラジウム膜の水素透過特性についての基礎的な知見を得るため、水素透過実験を行った。コンピュータシミュレーションを行い理論との一致を検証するとともに、さらに効率的な反応器設計の指針を提案した。 3 上記の膜反応器に対する知見を基に、新しい膜反応器への展開を試みた。特定分子を原料として供給する考え方へと発展させることで、MCFC型膜反応器の可能性を示唆することができた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 高桑ら: "セラミック層に担持したパラジウム膜の水素透過特性"化学工学会第64年会研究発表講演要旨集. 463 (1999)
-
[Publications] T.TAGAWA ら: "Combined reforming of methane with CO2 and O2 in MCFC reactor"Proc.ICCDU V, Karlsruhe. 32-33 (1999)
-
[Publications] S.Goto ら: "The effect of direction of hydrogen permeation on the rate through a composite palladium membrane"Proc.Regional Symp.on Chemical Engineering, Thailand. B41-B46 (1999)