1999 Fiscal Year Annual Research Report
白色腐朽菌のリグニン分解酵素を用いた酸化重合反応による新規性分解性ポリマーの合成
Project/Area Number |
11875175
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 正之 新潟大学, 工学部, 教授 (00163634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 孝明 新潟大学, 工学部, 助教授 (00217043)
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Keywords | ラッカーゼ / 酸化重合 / 生分解性ポリマー / カワラタケ / フェノール / フェニルフェノール |
Research Abstract |
本研究では,ラッカーゼを用いてフェノール類から生分解性ポリマーを合成することについて検討した。この研究において、以下の結果を得た。 1)バイオリアクターを用いてCoriolus versicolorによるラッカーゼの効率的生産について検討した結果、固体培地の初期水分含量を70%とした培養14日目に最大酵素活性が得られた。 2)固体培地から回収したラッカーゼを,硫安沈殿で濃縮した後、イオン交換クロマトグラフィーと疎水性クロマトグラフィーによって精製した結果、比活性が45倍となった高純度の酵素を得ることができた。 3)精製したラッカーゼを用いて、フェノールおよびフェニルフェノールを基質モノマーとして重合反応を行った結果、いずれもpHが4.5のときにポリマーの収率が最大となった。 4)フェニルフェノールを基質モノマーとして用いた場合には、反応溶媒にアセトンを添加することによってポリマー収率が向上した。アセトンを30%添加したときのポリマー収率は98%であった。 5)フェノールを基質モノマーとして重合反応を行った場合に生成したポリマーは、ジメチルホルムアミドに溶解しない高分子量であった。一方、フェニルフェノールを重合した場合に生成したポリマーは、ジメチルホルムアミドに溶解し、その分子量は6,000-10,000であった。 6)フェノールおよびフェニルフェノールの酵素酸化重合物の熱重量分析を行った結果、これらの重合物は340℃まで安定であった。
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