1999 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧力場を利用したインターカレーション反応による新規無機材料の合成
Project/Area Number |
11875189
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝沢 博胤 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90226960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 恭太 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50271862)
遠藤 忠 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30176797)
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Keywords | 高圧合成 / インターカレーション / トンネル構造 / 結晶化学 / イオン伝導 / スクッテルド鉱型構造 / 電子伝導 |
Research Abstract |
本研究では,1次元から3次元の空洞構造を有する無機化合物(ホスト)への原子・分子挿入反応を超高圧力下で行い,静電的あるいは分子間相互作用を駆動力として行われてきた従来のインターカレーション反応とは異なる,超高圧条件がもたらす系の体積減少効果に着目した新しい反応設計を行うことを主眼とする。 1次元(トンネル)〜3次元(空孔)空間を有する無機化合物ホストと,ゆるやかに結合したゲスト種とのホスト-ゲスト相互作用による母材料の機能制御・新機能発現を目指し、新たな材料設計指針を構築することを目的とした。今年度は、1次元空洞構造としてVS_6八面体2×2サイズのトンネルを有するA_xV_5S_8を高圧合成し,常圧合成に比べてトンネル内の原子占有比の高い化合物を得た。得られた物質は高い電子伝導性を示したが,トンネル内の可動性アルカリイオンによるイオン伝導性の発現とその評価には至らなかった。次年度の継続課題としたい。 一方,3次元空洞構造であるスクッテルド鉱型構造を有する無機ホストへは,超高圧力下において種々の金属原子の挿入が実現できることを明らかにした。この反応は圧力の上昇とともに容易に進行し,8GPa領域においては母格子の空洞をゲスト原子で完全に占有することが可能であった。ゲスト原子はドナーとして母格子に電子を供与し,半導体物性に変化をもたらすことが判明した。次年度はホウ素クラスターからなる多ホウ化物へも対象を拡げ,インターカレーション反応による新規機能発現の可能性を検討する。
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Research Products
(1 results)