1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875199
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶谷 直人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30171953)
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Keywords | 炭素-水素結合切断 / 活性化 / カルボニル化 / ルテニウム / 炭素-炭素結合切断 |
Research Abstract |
本研究は、炭素-水素結合の触媒的な直接カルボニル化反応の開発を目的とした。さらに、この研究で得られた知見を基に炭素-水素結合以外の様々な不活性結合の切断を含む触媒反応開発への展開も目指した。その結果、以下の示すような大きな成果が得られた。 具体的には、窒素の隣の炭素-水素結合ではあるが、飽和の炭素-水素結合のオレフィンへの付加およびカルボニル化反応を見出すことができた。今までの研究の中心は、ベンゼンあるいはオレフィンなどの不飽和炭素-水素結合の切断を含む触媒反応の開発がほとんどで、飽和炭素-水素結合の効率的な反応は、ほとんど報告されていなかった。しかし、ピリジン窒素のルテニウムの配位を利用することにより、窒素の隣の炭素-水素結合ではあるが効率的な反応を見出すことができた。 さらに、現在もっとも難しいとされている炭素-炭素結合の切断を含む触媒反応も見いだすことができた。この反応でも、ピリジン窒素のルテニウムへの配位を利用することにより脱カルボニル化的に炭素-炭素結合を切断することができた。 また、予備的研究ではあるが、炭素-炭素結合の切断を含む触媒反応も効率的に進行する系を最近見いだした。
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