2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875205
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青井 啓悟 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30222467)
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Keywords | デンドリマー / グラフト共重合体 / ポリペプチド / 分子認識 / 糖鎖高分子 / 開環重合 / シリンダー状分子 / 環状分子 |
Research Abstract |
本研究は、先進的な分子設計概念により、全く新しい糖質大環状デンドリマーの創成を行うことを目的として行った。計画に従って、ポリリシンの側鎖アミノ基からポリ(アミドアミン)デンドリマー構築を行い、新しいシリンダー状高分子を得た。この反応では、市販のポリリシン臭化物塩をトリエチルアミン存在下アクリル酸メチルを用いたマイケル付加反応によりデンドリマー分岐構造に誘導した。表面アミノ基と糖誘導体置換セリンN-カルボキシ無水物(GlycoNCA)との高分子反応により、嵩高い糖の層を形成し、チューブ状の構造体を得ることに成功した。糖としては、N-アセチル-D-グルコサミンなどを導入した。シリンダー状デンドリマー内部の、ポリリシン部分の高次構造をIR測定、CD測定さらには中性子小角散乱により解析し、評価した。 大環状ポリリシンを用いて、同様のデンドリマー精密構築と糖の導入により大環状糖質デンドリマーの合成が可能であり、大環状ポリリシン合成を試みた。 ポリ(アミドアミン)デンドリマーの末端部分をヒドロキシル基とした新規重合体も合成し、高次構造の解析を上記と同様に行った。その結果、ヒドロキシル型でもナノスケールの円筒状の形態をとり、糖質を導入したものはより安定に円筒状となることが明らかになった。 糖鎖シリンダー状デンドリマーの分子認識能を、実際に小麦胚芽(WGA)レクチンを用いた赤血球凝集阻害試験により調べた。4分岐型で優れた認識能を発揮することが分かった。また、電気泳動により、プラスミドDNAと安定な複合体を形成し、生体機能材料として有用な展望が開けた。
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[Publications] K.Tsutsumiuchi: "Ion Complex Formation between Poly (amido amine) Dendrimer HCl Salt and Poly (L-glutamic acid) Sodium Salt."Polymer Journal. 32・2. 107-112 (2000)
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[Publications] K.Aoi: "Synthesis of a Novel N-Selective Ester Functionalized Chitin Derivative and Water-Soluble Carboxyethylchitin."Macromolecular Chemistry and Physics. 201・14. 1701-1708 (2000)
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[Publications] 岡田鉦彦: "表面修飾デンドリマー微粒子・粉体の最先端技術"川口春馬 監修,シーエムシー. 280 (2000)