2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11875219
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
馬場 榮一 広島大学, 工学部, 教授 (30274129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 康明 広島大学, 工学部, 助教授 (10134454)
茂里 一絋 広島大学, 工学部, 教授 (90011171)
肥後 靖 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (20156582)
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Keywords | 砕波 / 砕波音 / 砕波形態 / 砂浜 / 空中放射音 / 海浜傾斜面 / 水中放射音 / シルト |
Research Abstract |
本研究では、砕波の複雑な乱流動に伴って発生する音に着目し、砕波の形態及び波圧と音との相関を把握し、砕波音を無接触センサーとして扱うことの可能性を実験的・理論的に評価することとした。研究対象として、内湾のような穏やかな海域での砂浜や干潟へ打ち寄せる規模の小さな砕波と、海上構造物に作用する規模の大きな砕波を対象とした。研究の結果をまとめると、 内湾の干潟や海浜での砕波は、土壌の粒子構成に影響を及ぼし、海浜の傾斜が大きいほど、微生物活動に必要な微粒子(シルト)の流出が大きい。この知見は、人口干潟の計画にとって重要な知見となる。海浜傾斜が1/25程度に大きくなると、3Khz以上の音圧が目立ち、海浜を削る作用と関連していることがわかった。砕波音の把握により、海浜底生生物の生活環境の良し悪しの評価ができる見通しを得た。 生活や作業空間の拡充のために設置する海上の大型構造物では、海洋からの波の衝突とそれに伴う砕波によって、騒音が発生する。空中放射音が極大値を取る場合は、砕波が空気巻き込みを起こす巻き波砕波の形態をとったときであることを、実験的に把握した。適切な消波装置で砕波の形態を変えることで、騒音弊害を低減できうることが示唆された。さらに、海上構造物周りの砕波による海中並びに空中への騒音伝播の理論的算定手法の開発を試み、海底の魚類にとって、威嚇レベル、損傷レベルに達する砕波騒音レベルの算定を行った。
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[Publications] Baba,E.: "Analysis of radiated sound from breaking waves at tidal-flat"Proceedings of Joint MIT/Hiroshima Workshop on Environmental Fluid Mechanics and Coastal Ecosystems. 11 (1999)
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[Publications] Muraoka,T.: "Acoustic analysis of breaking waves at tidal-flat"Proceedings of 7th Symposium on Nonlinear and Free-Surface Flow. 13-18 (1999)
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[Publications] 土井康明: "波による海浜浸透現象に関する研究"日本造船学会論文集. 188号. 33-39 (2000)
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[Publications] Cheong,J-C.: "内湾に発達した干潟や砂浜における波による土壤中への海水の浸透"水環境学会誌. 23巻10号. 619-623 (2000)
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[Publications] Baba,E.: "Effect of Spilled Oil on Seawater Infiltration into a Tidal Flat under Wave and Tide Actions"Environmental Sciences. 7・3. 139-148 (2000)