1999 Fiscal Year Annual Research Report
イネにおけるトウモロコシMuトランスポゾン相同因子の構造・機能解析
Project/Area Number |
11876002
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 千春 神戸大学, 農学部, 教授 (10144601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宅見 薫雄 神戸大学, 農学部, 助手 (50249166)
朝倉 史明 神奈川大学, 工学部, 講師 (80301589)
吉田 晋弥 兵庫農業技術センター, 生物工学, 主任研究員
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Keywords | Muトランスポゾン / OsMuDR / イネ(Oryza sativa) / TIR / 標的配列 |
Research Abstract |
高浸透圧下プロリンを含む培地で培養したイネ(Oryza sativa L.)カルス内で発現している遺伝子をディファレンシャルディスプレイ法により解析し、トウモロコシのMuトランスポゾン(MuDR)の転写産物であるmudrAに相同性が認められるRT-PCRクローンOsMuDRを得た。このクローンについて本年度は以下の結果を得た。 1.OsMuDRをプローブとしたノーザンハイブリダイゼーションの結果から、この転写産物の全長は、約2.6kbpであることが明らかとなり、mudrAが2.8kbpであることと符合した。そこで、RT-PCRクローンを基に、cDNAクローンの単離を試みたが、1.1kbpの部分クローンが得られたのみで、ORFを含む完全鎖長のクローンを得ることはできなかった。 2.OsMuDRをプローブとしたイネゲノミッククローンのスクリーニングを行った結果、12の独立したクローンを単離することができた。このうち2クローン(OSMu4-2,OSMu10-1)についてその塩基配列を決定した結果、OSMu4-2は、198bpの末端反復配列(TIR)に挟まれた4.6kbpの配列を有し、OSMu10-1は同様に、198bpの末端反復配列(TIR)に挟まれた1.1kbpの配列を有していた。さらに、これらの因子は、9bpからなる標的配列を末端に有することから、Muトランスポゾンのホモローグであると推定された。OSMu4-2とOSMu10-1は、ともにmudrA様転写産物をコードすると思われる領域を有するが、OSMu10-1では、3'端側の約330bpのみが確認された。OSMuクローンのTIRの塩基配列について、既知のトウモロコシMuトランスポゾンとの比較では、相同性が低く、MuトランスポゾンのTIR間では、遺伝的距離が0.06の範囲であるのに対して、最大で0.19の値を示した。今後は、見出したイネのMuDR様因子(OSMuDR)の転写産物の詳細な構造およびその誘導のメカニズムを明らかにするとともに、この因子の培養細胞内等での転移活性ついて調査を進めて行く予定である。
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Research Products
(1 results)