2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11876009
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩淵 喜久男 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00203399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 毅 東京農工大学, 農学部, 助手 (10238339)
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Keywords | Bombyx mori / hemocyte / culture / bombyxine |
Research Abstract |
前年度におこなったカイコ血球の単細胞培養において、原白血球が分裂能を有し、顆粒細胞、プラズマ細胞、小球細胞への分化能を有するなど、幹細胞の性質をもつ細胞であることが明らかとなった。さらに原白血球の分化は体液成分の影響を受けることが示唆された。血球の構成比、総血球数は幼虫の発育段階で異なることがすでに知られていることから、発育調節に関わる内分泌物質がその要因の一つと想定された。そこで、今年度は、単細胞培養法を用い、各血球種に対する脱皮ホルモン、幼若ホルモンおよび脳ホルモンとしてPTTH,bombyxineの効果を調べた。実験の結果、原白血球の細胞分裂率、分化率、分化の方向はいずれのホルモンに対しても影響を受けなかったが、顆粒細胞の分裂率がbombyxineによって著しく上昇することが明らかとなった。この現象は、bombyxineを単独で処理した時には見られず、体液と同時に培地に加えた時にのみ認められた。さらのこの効果はInsulinに対しても認められたことから、Insulin familyのpeptideに対して誘導されるものと考えられた。なお、この効果はPTTHでは見られず、また、他の血球種では認められなかった。
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