2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11876012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高浪 洋一 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50243944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 成人 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10211533)
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Keywords | 病原細菌 / 簡易同定法 / TLC法 / GLC法 / Ralstonia solanacearum / 生理型 / 病原型 / SDS-PAGE |
Research Abstract |
本研究では、多くの時間と手間と経験を必要とする現行の植物病原細菌の同定法の簡便・迅速化を計り、より客観性のある試験項目を加えることにより信頼性の高い病原細菌の同定法を確立することにある。以前からの一連の研究に基づき、アミノ脂質が菌種同定の指標物質として利用可能であると考えられた(直接コロニーTLC法)。シリカゲル薄層プレート上に顕れるアミノ脂質の各スポットのRf値は、菌種の同定に有効であることを明らかにしているため、世界的な重要病害であるナス科植物青枯病の病原体であるRalsutonia solanacearumへの適用を試みた。この病原体には各種の生理型並びに病原型が存在し複雑に分化しており、それら分化型の識別は極めて困難であることが知られている。直接コロニーTLC法は種レベルでの識別、すなわち各種罹病植物体からの分離細菌の同定には有用なものの、種レベル以下の識別には限界があることを確認した。そこで、その有用性が認められているガスクロマトグラフィー(GLC)による菌体あるいは菌体外膜の脂肪酸分析を試みることにより、TLC法では識別が不可能であった生理型の解析が可能となった。さらに各種植物に接種試験を行わなければ困難とされた病原型の識別が菌体外膜のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)の解析により可能になることを明確に示した。以上のように、罹病植物体からのRalstonia solanacearumの同定にはTLC法がきわめて迅速かつ簡便であり、生理型あるいは病原型の識別にはGLC並びにSDS-PAGEによる解析結果の利用が有効であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Salete,M.M,Furuya,N.,Matsumoto,M.and Matsuyama,N.: "Comparative studies on fatty acid composition of the whole-cell and outer membrane in Brazilian strains of Ralstonia solanacearum"Jour.Fac.Agr.Kyushu Univ.. 44(1・2). 17-23 (1999)
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[Publications] Salete,M.M,Furuya,N.,Iiyama,K.,Khan,A.A.and N.Matsuyama: "Geographical distribution of biovars of Ralstonia solanacearum in Brazil"Jour.Fac.Agr.Kyushu Univ.. 44(1・2). 9-15 (1999)
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[Publications] Salete,M.M,Furuya,N.and Matsuyama,N.: "Comparative membrane characterization of Brazilian strains of Ralstonia solanacearum"Bull.Inst.Trop.Agr.,Kyushu Univ.. 22. 39-44 (1999)