1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11876040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 克己 九州大学, 農学部, 教授 (30015656)
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Keywords | スギ科 / ヒノキ科 / 心材成分 / ノルリグナン / ヒノキレジノール / 生合成 / 細胞培養 |
Research Abstract |
ノルリグナル類は、C_6-C_3-C_2-C_6の炭素骨格を持つフェノール性化合物であり、これまでスギ科やヒノキ科などの針葉樹の心材中に含まれていることが報告されている。その含有量や種類は、それぞれの樹種によって著しく異なっている。しかし、具体的な生理活性やその機能などはまだ分かっておらず、生合成経路についても推測の段階にすぎない。そこで生合成実験のためにスギのカルスによるノルリグナン類の生成を試み、その一種であるヒノキレジノール、アガタレジノール等が生産されることを見いだした。 さらに、スギカルスを用いて、種々の位置が放射ラベルされたフェニルアラニンをカルスに投与することにより、ヒノキレジノール生合成経路の探索を試みた。14.5mlのMS液体培地(pH=7.7)を入れた50ml容三角フラスコに、カルスを生重量で約1.5g入れた。放射活性を130kBq/flaskとした10μMの[ring-^3H]L-フェニルアラニンを培養0〜3日目に0.5ml投与した。25℃、70rpmで振とう培養し、培養4日目に酢酸エチルで抽出した。HPLCで分画、定量を行った。各画分の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。その結果、ヒノキレジノール溶出位置に放射活性が確認され、フェニルアラニンがヒノキレジノールに取り込まれることが示唆された。ヒノキレジノールへの放射活性取り込み率が低かったことから、外生フェニルアラニンの利用は低く、細胞中のフェニルアラニンが主に使用されるためと考えられる。
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Research Products
(1 results)