1999 Fiscal Year Annual Research Report
外生菌根菌と樹木との共生培養系によるバイオレメディエーション
Project/Area Number |
11876069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 武文 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (60212148)
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Keywords | 菌根菌 / 共生 / バイオレメディエーション / ハツタケ / アカマツ / サンドイッチ培養法 / 有機塩素化合物 / 外生菌根菌 |
Research Abstract |
外生菌根菌を用いたバイオレメディエーションを検討する為、サンドイッチ共生培養系の確立を試みた。 まず、寒天培地上に置いた濾紙に菌体を接種し、所定条件で培養し、これを共生培養系の接種源とした。供試菌としてハツタケ[Lactarius hatsudake]、をはじめとする数種の外生菌根菌を用いた。まず、宿主植物(アカマツ[Pinus densiflora])の種を寒天培地上発芽させ、実生を無菌的に調整した。そして、別の寒天培地上にセロファンを敷き、その上に調整した実生を置いた。さらに、濾紙に蔓延した菌糸を実生の根の部分に接するように被せ、所定条件下で培養し、根の形態変化を観察した。 3週間の培養によりハツタケを含む2種の外生菌根菌において菌根形成が見られ、顕微鏡観察により外生菌根の特徴とされるMantle及びHartig netが確認された。しかし、非共生的に培養した実生に比べて、全ての供試菌による共生系では根の伸長が抑制された。申請者は、別途バーミキュライトを培地に用いた場合には、実生の生育が促進されることを観察している。従って、現在、共生系における最適な培地組成に関し更に検討中である。しかしながら、予備実験として、本共生培養系を用いて有機塩素化合物の分解を試みる予定である。
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