1999 Fiscal Year Annual Research Report
時間記憶の基礎過程としての概日リズム振動と時計遺伝子
Project/Area Number |
11877011
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 研一 北海道大学, 医学部, 教授 (40113625)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝野 由美子 北海道大学, 医学部, 助手 (80177419)
|
Keywords | 時間記憶 / 周期的制限給餌 / 生物時計 / 視交叉上核 / 孤束核 / 時計遺伝子 / NPY / AVP |
Research Abstract |
1)弓状核および孤束核NPY遺伝子発現の時間記憶 成熟雄ラットに明期2時間の周期的制限給餌を負荷し、自発行動および血中コルチコステロン分泌に時間記億を成立させた。制限給餌3週目のラットを4時間ごと断頭し、弓状核および孤束核を含むスライス切片を作成して、NPYmRNAに対するプローベを用いてin situ hybridization を行った。その結果、周期的制限給餌群では弓状核および孤束核ともにmRNAレベルが自由摂食群より有意に上昇し、さらに孤束核では給餌直前の遺伝子発現が亢進していた。一方48時間絶食では、弓状核NPYmRNAレベルは自由摂食に較べ有意に増加していたが、孤束核では有意な上昇は認められなかった。以上の結果は、孤束核NPY合成に時間記億の信号が伝達されていることを示し、孤束核が時間記憶の中枢あるいは中継核であることを示唆した。一方弓状核NPYは低栄養条件下一般に反応する系であると思われた。 2)視交叉上核および室傍核におけるAVP遺伝子発現の時間記憶 成熟雄ラットに周期的制限給餌を負荷したのち、in situ hybridization 法により視交叉上核、室傍核、視索上核のAVPmRNAレベルの24時間リズムを測定した。視交叉上核においては、自由摂食群、周期的制限給餌群とも明期にピークをもつ24時間リズムを示し、両者に統計的有意差はなかった。一方、室傍核、視索上核のAVP遺伝子発現リズムは自由摂食群と周期的制限給餌群では異なり、自由摂食群では明期後半にピークを示したのに対し、制限給餌群では給餌前にピークを示した。以上の結果は、生物時計が局在する視交叉上核のAVP遺伝子は時間記億に関与していないことを示している。一方、室榜核のAVPは時間記憶にともなうCRH分泌の変化と関連している可能性がある。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Abe, H.: "Phase-dependent induction by light of rat Clock transcription in the suprachiasmatic nucleus"Mol. Brain Res.. 66. 104-110 (1999)
-
[Publications] Honma, S.: "Light-induced uncoupling of multi-oscillatory cricadain system in a diurnal rodent, chipmunk, Eutamias Asiaticus"Am. J. Physiol.. 276. 1390-1396 (1999)
-
[Publications] Namihira, M.: "Daily variation and light responsiveness of mammalian clock gene Clock and its pertnar gene BMAL1 transcripts in the pineal body and different areas of brain in rats"Neurosci. Lett.. 267. 69-72 (1999)
-
[Publications] Namihira, M.: "Circadian rhythms and light responsiveness of mammalian clock genes Clock and BMAL1 transcripts in the rat retina"Neurosci. Lett.. 271. 1-4 (1999)
-
[Publications] Yu, W.: "Characterization of three splice variants and genomic organization of the mouse BMAL1 gene"Biochem. Biophys. Res. Comm.. 260. 760-767 (1999)