1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877016
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70211547)
唐木 英明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)
|
Keywords | カルポニン / 器官培養 / 平滑筋 / 内皮 |
Research Abstract |
本研究は、血管の器官培養法を用いて、PDGFによって誘導される血管組織の形態および機能変化を、h1・カルポニン(CP)欠損マウスと正常マウスの血管とで比較検討することにより、増殖性血管病変でのカルポニンの病態生理的役割を明らかにすることを目的とする。本研究は2年計画で実施されるが、本年度はその初年度に当たり、基礎的な知見として、血管ならびに他の平滑筋の収縮性におけるカルポニンの意義についての解析を行い、以下の成績を得ることが出来た。 1)CP+/+マウス、マウスCP-/-から摘出した輸精管を用い、等張性KCI溶液で刺激すると、立ち上がりの速い収縮(peak収縮)を発生した後、静止張力よりわずかに高い持続性収縮を発生した。Peak収縮時におけるforce-velocity関係をisotonic quick release法で求めると、unloaded shortening velocityがCP-/-マウスで有意に大きかった。 2)抗ミオシン抗体を用いたウェスタンブロット法で20kDaミオシン軽鎖のリン酸化量を測定したところ、静止状態、KCI刺激後8秒、15分後において、CP+/+マウスおよびCP-/-マウス間でミオシンリン酸化量に違いは認められなかった。 3)胸部大動脈を用いKCI溶液で標本を刺激するとCP+/+マウス、CP-/-とも持続性の収縮を発生した。 4)KCI収縮後5分後にisometric quick releaseを行うと収縮の回復はCP-/-マウスのほうがCP+/+マウスより速かった。 以上の結果より、平滑筋収縮においてカルポニンにはクロスブリッジの回転を抑制する機能を担うことが明らかとなった。 次年度はカルポニン欠損の血管を用いて、器官培養法によりPDGFや胎仔血清の作用を見ることになるが、その基礎的研究として、ウサギ腸間膜動脈を用いた2つの研究論文を公表できた(論文リスト参照)。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] H.Yamawaki, K.Sato, M.Hori ら: "Impairment of EDR by a long-term PDGF treatment in organ cultured rabbit mesenteric artery"Am. J. Physiol.. 277. H318-H323 (1999)
-
[Publications] H.Yamawaki, K.Sato, M.Hori ら: "Impairment of endothelium-dependent relaxation in the arteries cultured with fetal bovine seru"Eur. J. Pharmacol.. 366. 237-242 (1999)
-
[Publications] H.Nakazawa, M.Hori, H.Ozaki and H.Karaki: "Mechanisms underlying the impairment of endothelium-dependent relaxation in the p monocrotaline-induced pulmonary hypertensive rats"Br. J. Pharmacol.. 128. 1098-1104 (1999)