2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝内胆管癌および肝内結石症におけるHelicobacter属菌感染の意義 -免疫組織化学的検討および分子生物学的検討-
Project/Area Number |
11877034
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中沼 安二 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10115256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 憲一 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30283112)
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Keywords | 肝内結石症 / 肝内胆管癌 / ヘリコバクター菌 / キャンピロバクター菌 / PCR / ウレアーゼA遺伝子 / 免疫組織化学 / 胆汁 |
Research Abstract |
肝内結石症、肝内胆管癌、胆石症、胆嚢癌の胆管壁や胆嚢壁、胆汁中でのHelicobacter属菌、Campylobacter属菌感染の有無とその菌株を同定し、病変形性に果たすこれら菌株の関与を検討した。まず、肝内結石症および肝内胆管癌症例の肝内胆管胆汁および肝組織片(胆管壁をマイクロダイセクション法により摘出)からDNAを抽出し、Helicobacter属に共通する16SrRNA遺伝子をコードするDNAをターゲットにPCR法で増幅し、PCR産物をクローニングし、従来登録されているHelicobacter属菌種の塩基配列とのホモロジー検索により、細菌種の特定を試みた。その結果、肝内胆管壁(胆管上皮層を含む)および胆汁中にCampylobacter rectus菌が70%の症例に検出されて、Campylobacter rectus感染が肝内結石症や胆内胆管癌の発生に関連すると考えられた。さらに、Helicobacter pylori菌のウレアーゼA遺伝子に注目し、Kimらが報告したプライマー(Dig Dis Sci 2000 ; 7月号)を用い、細菌のDNAをPCR法で増幅し、Helicobacter pylori菌のウレアーゼA遺伝子の検出頻度を検討した。その結果、肝内結石症胆嚢結石症の胆汁中に、高率にhelicobacter pylori菌ウレアーゼA遺伝子が検出され、これら疾患でのHelicobacter pylori菌遺伝子の存在と病態形成への関与が明かとなった。次に、肝内結石症、肝内胆管癌、胆嚢癌を用い免疫組織化学的検討を行った。Dako社のHelicobacter pylori菌に対するポリクローナル抗体を用いた検討では、肝内胆管壁の胆管上皮層、特に粘液層及び胆管上皮細胞内に陽性菌体を少数認めた。しかし、組織科学的方法(Warthin-Starry染色等)では明瞭な菌体陽性所見が得られていない。胆汁中で菌体が変形し、桿菌の形態を呈していないためと考えられた。これらの結果から、肝内結石症、肝内胆管癌、胆石症、胆嚢癌の発生、進展の一因として、複数のHelicobacter属菌、Campylobacter属菌が病態形成に関与すると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuni Nakanuma: "Frequaent molecular identification of Campylobacter but not Helicobacter genus in bile and biliary epithelium in hepatholithiasis"J Pathol. 192(2). 218-223 (2001)
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[Publications] Yasuni Nakanuma: "Molecular identification of bacterial 16S ribosomal RNA gene in liver tissue of primary biliary cirrhosis : Is Propionibacterium acnes involved in granuloma formation?"Hepatology. 33(3). 530-536 (2001)