1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877067
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Research Institution | Bunkyo University Women's College |
Principal Investigator |
中島 滋 文教大学女子短期大学部, 教授 (90149782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 香 文教大学女子短期大学部, 助手 (30269485)
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Keywords | ヒスチジン / タンパク質 / 摂食抑制 |
Research Abstract |
本研究は、ヒスチジン含量の高いタンパク質による摂食抑制作用を解明するため、ヒトを対象とした食事調査を行い、エネルギー摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との関係を調べることを目的とした。日本国内の同一地域の都市部(愛媛県松山市およびその近郊)、農村部(愛媛県上浮穴郡久万町)、海浜部(愛媛県越智郡岩城村)を調査対象地区とし、各地区ごとに約50名から100名の食事調査を行った。食事調査はアンケート形式で3日間行った。調査後、4訂食品成分表を用いて各対象者の1日当たりのエネルギー、タンパク質、ヒスチジン摂取量を算出し、エネルギー摂取量とタンパク質摂取量、ヒスチジン摂取量、およびタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との相関を求めた。いずれの対象地区でも、エネルギー摂取量とタンパク質摂取量との間には有意な正の相関関係が認められた。しかし、エネルギー摂取量とヒスチジン摂取量との間には有意な正の相関関係は認められるものの、相関係数はタンパク質摂取量との間の場合より小さくなり、エネルギー摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との間には有意ではないものの負の相関関係があった。この傾向は魚の摂取量が一番多かった海浜部で顕著に認められた。さらに、海浜部の女性対象者では、エネルギー摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との間に有意な負の相関関係が認められた。一般に魚(特に赤身および多獲性赤身魚)にはヒスチジンが多く含まれている。したがってこれらの結果から、ヒスチジン含量の高いタンパク質を摂取する割合が高いほど、摂食量が少なくなる傾向があることが示唆された。次年度は、計画通り海外(北米および中国)における食事調査を行う予定である。
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