2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877067
|
Research Institution | Bunkyo University Women's College |
Principal Investigator |
中島 滋 文教大学女子短期大学部, 教授 (90149782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 眞紀子 文教大学女子短期大学部, 助手 (30331458)
|
Keywords | ヒスチジン / ヒスタミン / 摂食抑制 / タンパク質 / エネルギー |
Research Abstract |
本研究は、ヒスチジン高含有タンパク質摂取による摂食抑制作用を調べることを目的とし、ヒトを対象とした食事調査を行い、摂食量(エネルギー摂取量)とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との相関関係を調べた。 平成11年度は日本国内の3カ所(都市部、海浜部、山間部)において食事調査を行った。その結果、いずれの地域でもエネルギー摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との間には負の相関関係が求められた。またこの傾向は女性の方が男性よりも高く、海浜部の女性では1%の危険率で有意な負の相関が認められた。 平成12年度は、中華人民共和国黒竜江省とカナダブリティッシュコロンビア州において食事調査を行った。ヒスチジンは海水魚、特にカツオやマグロなどの赤身魚およびサバやイワシなどの多獲性赤身魚に多く含まれている。中華人民共和国黒竜江省は、魚は摂取するがその種類は淡水魚が多い地域として、カナダブリティッシュコロンビア州は、魚を食べる習慣がある人種とない人種が共存する地域として設定した。中華人民共和国黒竜江省の調査結果では、日本の調査と同様に、エネルギー摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との間には負の相関関係が認められ、その傾向は女性の方が男性より高かった。しかし、エネルギー摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量との間の負の相関関係は日本の場合より低かった。この地域におけるヒスチジンの供給源としては大豆が考えられた。現在カナダにおける調査資料の解析中である。 以上の結果より、カツオやマグロなどのヒスチジン含量の高いタンパク質を含む食品を多く摂取すると摂食抑制作用が現れることが示唆された。この現象は、摂取量したヒスチジンが体内でヒスタミンに変わりヒスタミンニューロを刺激したためではないかと考察された。
|