2000 Fiscal Year Annual Research Report
ホルムアルデヒド曝露による人体障害の発生機序に関する研究
Project/Area Number |
11877073
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
水城 まさみ 大分医科大学, 保健管理センター, 講師 (80157487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 義久 大分医科大学, 医学部, 教授 (10165368)
津田 富康 大分医科大学, 医学部, 教授 (80040567)
寺尾 英夫 大分大学, 保健管理センター, 教授 (10128192)
三浦 真弘 大分医科大学, 医学部, 講師 (50199957)
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Keywords | ホルムアルデヒド / 解剖実習 / 人体障害 / アトピー素因 / 気道過敏性 / 化学物質過敏 |
Research Abstract |
ホルムアルデヒド(FA)による人体障害発生機序について、平成11年度成果として(1)解剖実習室のFA濃度は0.5-1.6ppmと作業環境基準を越えている。(2)実習中の目や喉の刺激感、皮膚の痒みさらには全身倦怠感などの症状とアトピー素因(ダニ特異的IgE抗体、アレルギー性疾患の既往)および化学物質過敏に関する症状が有意に相関する。(3)実習前の健康調査でアトピー素因のある者と気道過敏性亢進を認める者をハイリスクグループとして活性炭マスクを装着させると身体症状を軽減させることができることがわかった。本年度の課題として、FA曝露がアトピーの増悪因子となることを実証するために、解剖実習前後でのダニおよびFAに対する特異的IgE抗体の変化と身体症状発現の程度や頻度との関連をみた。実習前の検査でダニに対する特異的IgE抗体(CAP-RAST)陽性を示した者で前後で比較してみると、実習前の中央値が9.1U/ml、終了後の中央値が14.3U/mlでWilcoxon符号付順位検定でp=0.0006で有意に後で増加がみられた。以上より0.5ppm以上のFA曝露では何らかの一般吸入抗原による抗体産生促進作用を有している可能性が示唆された。なお、FAに対する特異的IgE抗体については、陽性者の1名は変化なく、実習後に新たに陽性となる者はなくI型アレルギーの関与する場合は非常に稀であると考えられた。今後の課題として、実習室の換気改善や遺体の固定法の見直しを計り、FA濃度を最小限に抑え、人体への影響がどのように変化するかを見て行きたい。
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[Publications] 水城まさみ,津田富康: "医学部学生の解剖実習におけるホルムアルデヒド曝露による人体障害に関する健康調査"アレルギー. 48・2,3. 315 (1999)
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[Publications] 水城まさみ,津田富康,田吹光司郎: "医学部学生の解剖実習におけるホルムアルデヒド曝露による身体症状軽減のための試み"日本公衆衛生雑誌. 46・10. 763 (1999)
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[Publications] 水城まさみ,小池惠,津田富康: "医学科学生を対象にしたアンケート方式による解剖実習に関する健康調査"CAMPUS HEALTH. 35・1. 366-370 (1999)
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[Publications] Mizuki M,Tsuda T: "How can we reduce physical symptoms due to exposure gaseous formaldehyde induced by practical training of human anatomy for medical students?"Am J Respir Crit Care Med. 16・3. A168 (2000)
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[Publications] 水城まさみ,津田富康: "ホルムアルデヒド曝露がアトピー性因子および気道過敏性に与える影響について"喘息. 14・1. 68-73 (2001)
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[Publications] 水城まさみ,津田富康: "人体解剖実習中のホルムアルデヒド曝露による身体症状発現とアトピー性素因との関連について"アレルギー. 50・1(発表予定). (2001)