1999 Fiscal Year Annual Research Report
乳房脂肪組織中の有機塩素系化合物レベルと乳がんリスク
Project/Area Number |
11877074
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
秋葉 澄伯 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50145554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 浩己 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90036476)
安藤 哲夫 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10107865)
郡山 千早 鹿児島大学, 医学部, 講師 (30274814)
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Keywords | 乳がん / 有機塩素系化合物 / 脂肪酸 / 生活習慣 / 女性ホルモン |
Research Abstract |
本研究の目的は乳がん患者と良性乳腺疾患患者から乳房脂肪組織を採取し主に環境中の残留農薬に由来するDDE,PCBs等の有機塩素系化合物や主に魚類等に由来するEPA,DHA等の脂肪酸を測定した上で、血液中の女性ホルモンレベル、生活習慣に関する質問票の結果等と併せてデータ解析を行い、両群の比較分析を行うものである。また対象者が抽出される病院において、新規登録された一般外来・入院患者に対しても先の対象者と同じ質問表に回答してもらい、一般対照群として新たに解析に加えることとした。初年度である本年度は(1)検体の採取・回収に関する機構を確立し、(2)脂肪組織中の有機塩素化合物や脂肪酸を測定する技術を検証し、(3)質問表の内容に関する関係者間の合意を得る、といった研究開始にあたっての調整をおこなったが、年度末までは乳がん患者20症例以上、良性乳腺疾患患者10症例以上からの検体採取と質問表の回収が予想され、一般対照群からの質問表は300人以上からの回収が期待される。分担研究者の吉田らが同病院における乳がん患者183症例を対象にして行った研究では、乳がんの危険因子であるとされる肥満と、家族歴やホルモン受容体等の発現、組織学的な特徴等との関連について検討され、肥満とホルモン受容体の発現やリンパ節転移などの因子との間に関連性がみられることが明らかになっている。本研究における質問表では肥満度のほかに食習慣や生活習慣等の情報も得られるため、更に詳しい検討を行っていく予定である。
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