1999 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎自然発症マウスを用いたアトピー性脊髄炎動物モデルの作製
Project/Area Number |
11877105
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉良 潤一 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40183305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 祐治 日本学術振興会, 特別研究員
呉 牧暁 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | アトピー性脊髄炎 / 動物モデル / アトピー性皮膚炎 / 高IgE血症 / ダニ抗原特異的IgE / NC系マウス / Th2型ヘルパーT細胞 |
Research Abstract |
私どもはアトピーに関連して起こる脊髄炎の存在を指摘し、アトピー性脊髄炎との病名を提唱している。本研究ではそのモデルマウスを作成し、アトピーにより中枢神経系に炎症が生じ得ることを証明し、その免疫学的・病理学的特徴を明らかにすることを目的とした。既に、ヒョウヒダニでNC系マウスを感作することでアトピー性皮膚炎を発症させることに成功し、更に興味深いことに、これらのマウスは後に多発関節炎を生じることを明らかにした。 また私どもは、高IgE血症とダニ特異的IgEを伴う脊髄炎患者のCD4陽性T細胞のIFNγ/IL-4比は低く、本疾患はTh2優位であることを明らかにした。そこで、Th2反応を誘導しやすいAlumをadjuvantとして用い、ヒョウヒダニでNC系マウスを感作し、アトピー性皮膚炎を安定して発症させる系を確立、現在血清全IgE値、ダニ特異的IgE値をELISA法にて測定中である。また、成人期のアトピー性皮膚炎患者の特徴として、絶えず強い痒みのため皮膚を掻くことが知られている。そこで、ダニアトピーを基盤に何らかのトリガーが重くなって中枢神経系に炎症が生じる可能性を考え、現在、(1)マウスに掻痒行動をおこさせ、皮膚に炎症を生じさせる、(2)機械的刺激をマウスの頚部に与える、方法により脊髄炎発症の有無を検討中である。更に最近私どもは、高IgE血症とダニ特異的IgE陽性を示す多発単神経炎の存在を見い出し、また、アトピー性脊髄炎患者でも潜在的な神経根や末梢神経病変の合併を確認した。そこで、ダニアトピーを誘導したNC系マウスの脊髄のみならず、広く末梢神経系まで臨床病理学的に検討を行っている。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] Kira Jun-ichi,et al: "Clinical,immunological and MRI features of myelitis with atopic dermatitis (atopic myelitis)."Journal of Neurological. 162(1). 56-61 (1999)
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[Publications] Horiuchi Izumi,et al: "Heightened IgE response to mite antigens in inflammatory neuropathies."Journal of Neurological Sciences. 166(2). 77-80 (1999)
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[Publications] Horiuchi Izumi,et al: "Th1 dominance in HAM/TSP and the optico-spinal form of multiple sclerosis versus Th2 dominance in acute myelitis with mite antigen-specific IgE."Journal of Neurological Sciences. 172(1). 17-24 (2000)
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[Publications] Horiuchi Izumi,et al: "Acute myelitis after asthma attacks with onset after puberty."Journal of Neurology Neurosurgery & psychiatry. (in press).
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[Publications] 吉良潤一、他: "アトピー性脊髄炎の臨床的、免疫学的、病理学的検討"第9回国際痒みシンポジウム記録集. (印刷中).
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[Publications] 吉良潤一: "アトピーを伴う脊髄炎"整形外科. 50(3). 301 (1999)
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[Publications] 吉良潤一、他: "アトピー性脊髄炎とその周辺"アレルギー科. 17(1). 52-60 (1999)
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[Publications] 吉良潤一、他: "内科診療におけるPros & conSアトピーを基盤とする脊髄炎は存在するか"内科. 83(1). 101-106 (1999)
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[Publications] 吉良潤一: "DPB1^*0501関連視神経脊髄炎とアトピー性脊髄炎:新しい疾患概念の提唱"臨床神経. 39(1). 19-20 (1999)
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[Publications] 堀内泉、他: "アトピー性脊髄炎"臨床皮膚科. (印刷中).
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[Publications] 吉良潤一: "アトピー性脊髄炎"日本皮膚科学会雑誌. 109(12). 1992-1995 (1999)
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[Publications] 吉良潤一: "アトピー性脊髄炎"炎症. (印刷中).
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[Publications] 吉良潤一: "アトピー性脊髄炎とその周辺"脳と神経. (印刷中).
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[Publications] 吉良潤一: "アトピー性脊髄炎.アトピー性皮膚炎 診療のストラテジー 古江増隆(編)"文光堂. 191 (1999)
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[Publications] 堀内泉、他: "Th1/Th2 helperT cellと脱髄疾患.Annual Review 神経2000後藤文男、高倉公朋、木下真男、柳沢信夫、清水輝夫(編)"中外医学社. 227-234 (2000)
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[Publications] 村井弘之、他: "ダニ感染(含アトピー性脊髄炎).Annual Review神経2000後藤文男、高倉公朋、木下真男、柳沢信夫、清水輝夫(編)"中外医学社. 90-98 (2000)
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[Publications] 小副川学、他: "先行するアトピー性疾患とその後に生じる脊髄や末梢神経の炎症.古江増隆監修.Allergy 21st Century No.2特集:アレルギー症状の発現に神経系はどう関与しているか."トーレラザール・マッチャン. 13-16 (2000)