1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11877112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 良三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60207975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広井 透雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30311624)
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Keywords | 平滑筋 / 分化 / 骨髄細胞 / SM1 / 2遺伝子 / ノックインマウス / 血管新生 / 創傷 |
Research Abstract |
近年、成体での血管内皮形成の際に、胎生期にみられる「脈管新生」の機構も作用するとの報告がある。我々は、血管中膜平滑筋細胞も血液中にその前駆細胞が存在し、血管新生の際に平滑筋細胞の供給源になるとの仮説を立てた。そこで、平滑筋細胞特異的な分子マーカーである平滑筋ミオシン重鎖(SM1/2)遺伝子プロモーターにLacZ遺伝子を接続した遺伝子を持つヘテロマウス(SM1/2マウス)を発生工学的手法で開発し、これを用いて血管平滑筋前駆細胞の存在について証明を試みた。 SM1/2マウスでは、血管中膜や消化管の平滑筋層に特異的にLacZ陽性細胞がみられ、平滑筋細胞の分化、局在を示すレポーター動物としての特徴を有することが確認された。 次に、マウスに血管内皮障害および血管新生モデルを作製し、新生平滑筋細胞が流血中の細胞に由来するか否かを検討した。SM1/2マウスより骨髄を採取し、10Gyの全身放射線照射を行った同系のC57BL/6J系マウスに骨髄移植した。このマウスに一重項酸素による大腿動脈の内皮障害、マウスB16メラノーマ細胞の移植による腫瘍周囲の血管新生、大腿動脈露出の際に切開する皮膚の創傷治癒過程での血管新生モデルを作製した。 内皮細胞障害モデルと腫瘍による血管新生モデルでは、血管壁を構成する細胞にはLacZ陽性細胞はみられなかった。しかし、創傷治癒過程にある皮下組織や腫瘍周囲の組織中には、骨髄単核球に類似した形態をとったり、平滑筋細胞様の紡錘状の形態をしたLacZ陽性細胞が多数みられた。 創傷治癒組織や腫瘍周囲の皮下組織では、SM1/2遺伝子が転写される細胞が血中から供給されると考えられた。すなわち、創傷治癒過程では、血液細胞が平滑筋細胞に分化し、再生に寄与すると考えられた。血液細胞から血管平滑筋細胞への分化の可能性については、今後もさらに解析を継続する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Watanabe N, et al.: "BTEB2, a Kruppel-like transcription factor, regulates expression of the SMemb/non-muscle myosin heavy chain B(SMemb/NMHC-B) gene"Circ Res. 85. 182-191 (1999)
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[Publications] Kawai-Kowase K, et al.: "Transcriptional activation of the zinc finger transcription factor BTEB2 gene by Egr-1 through mitogen-activated protein kinase pathways in vascular smooth muscle cells"Circ Res. 85. 787-795 (1999)
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[Publications] Kurihara H, et al.: "Endothelin and neural crest development"Cell Mol Biol. 45. 639-651 (1999)
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[Publications] Ogata T, et al.: "Inducible expression of BTEB2 in prolifearting smooth muscle cells at the vascular anastomotic stricture"J Thorac Cardiovasc Surg. (in press).
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[Publications] Suzuki T, et al.: "Regulation of interaction of the acetyltransferase region of p300 and the DNA-binding domain of Sp1 on and through DNA binding"Genes Cells. 5. 29-41 (2000)